(104)箱根駅伝事後インタビュー②/下條乃將

2022.01.03

 

 箱根駅伝(以下、箱根)は、残酷だ。わずか26秒に泣きシード権を落とした昨年度。再起を誓って臨んだ今大会だったが、結果は総合14位。またも箱根は明大の前に立ちはだかった。今回は、悔しさをにじませる選手たちのコメントをお届けする。

 

 今回は5区を走った下條乃將(情コミ3=東京実)のインタビューです。

(この取材は1月2日に電話で行われたものです)

 

――チームは総合17位で芦ノ湖に着きましたがそこはどう受け止めていますか。 

 「やはりチームとして全員が実力を発揮できていないのが、何でというのがある意味不思議です。調整や他の選手を見ていてもこんなところを走るチームではないのにというのはすごくありました。自分もそうだと思いますが、どうしたのだろうというのが強いです」 

 

――今回の結果の要因は分からないという感じですか。 

 「僕の結果自体は、原因はいろいろあると思うので分かります。しかし、他の選手があのようになってしまったのは僕には分からなくて不思議というのが大きいです」 

 

――他の4区間分の結果を見てどのような気持ちで中継所に立ちましたか。 

 「思っていたよりも順位が悪いというのがあったので、僕のところである程度どうにかしないといけないというのは正直思っていました。予定では1区、2区で遅れても3区、4区で盛り返して僕が耐えるというプランでいました。自分がある程度稼がなければいけないのではという状況で攻めるしかないと思ったので、スタート地点で『これ行くしかないのだろうな』と思いながら立ちました」 

 

――そのような気持ちもあって序盤はペース的には突っ込み過ぎた感じはありましたか。 

 「予定よりは全然速かったのですが、ほぼ同じくらいにもらった神大の選手が結構がつがつ行っていたので、これくらいの勢いで行かないといけないのだろうという形でした。もうそこに付くしかなかったというのが個人的にあります。あれを抑えていたからもう少し走れたというのはなさそうなので、あれはあれで仕方ない、行かざるを得なかったというところです。あれが悪かったとは思わないです」

 

――最初の定点カメラの通過順位が区間5番でそこからどんどん失速してしまったのかなとテレビを拝見していて思ったのですがその理由はありますか。 

 「前半結構いいリズムで入って、上りに入ったらびっくりするくらい坂が急に感じました。前半をそもそも速く走っていなかったというのがもともと走る前からの不安材料としてもありました。結局その不安が的中し、その不安のまま走ってしまったのが前半きついと思ってしまった要因だと感じました。練習とレースは全く別物だなという感じはしました。前半ハイペースで入ったときに不安になってしまったのがやはり良くなかったという感じがします」 

 

――ハチマキに書いている『一走入魂』の気持ちの入った走りというのはできましたか。 

 「気持ちを込めて走ることはできたと思います。感覚としては足が本当に動かなくてダメでした。気持ちとしては前に行くしかないという感じはあったので、気持ちを込めて走れたとは思っています。最後の下りもどうにかしなければと切り替えられました。他の選手の最後の下りがどうだったのかという情報は見られていないのですが、個人的には最後下りで日体大にぎりぎり追い付けはしなかったし、まだまだダメだったのですが、見える範囲にまでは何とか戻せたくらいでした。全てが反省で終わるのは良くないと思っています。良かったところは良かったと考えて、ダメだったところはダメだったと考えています。気持ちが最後も流すわけではなくて、全力で最後まで走り切れ、ゴールまでは行けました。そこは良かったところではあるのかなとは思っています」 

 

――ありがとうございました。

 

[出口千乃]