(99)箱根駅伝直前インタビュー⑭/橋本大輝

2021.12.30

 シード落ちの悔しさから1年。速さだけではない、勝ち切る強さを追い求めここまでやってきた。箱根駅伝予選会(以下、予選会)では圧巻のトップ通過。続く全日本大学駅伝(以下、全日本)では7位に入り、シード権を獲得するなどその実力は確かだ。昨年度の雪辱を果たし、強い明大を取り戻すために。思いを襷に込め、箱根路を駆け抜ける。 

 

 第14回は橋本大輝(営4=須磨学園)のインタビューです。(この取材は12月11日に電話で行われたものです)

 

――現在の心境はいかがですか。

 「ようやく目標としてきた舞台に出場できるチャンスをつかみ取ったので、あとはケガに気を付けてやっていきたいという思いが強いです」

 

――昨年度の箱根駅伝(以下、箱根)シード落ちを受けてチーム全体で取り組んできたことはありますか。

 「今年度は鈴木(聖人駅伝主将・政経4=水城)を中心にミーティングを重ね、何を目標にしてやるのか、その目標に対してどれくらいの実力なのかというのを確認して、改めて目標を設定していくということを今までの中で一番やってきました。そういった部分が多くの選手の自己ベストや結果につながっているのではないかなと思います」

 

――一般入部で走ることに対しての思いはありますか。

 「僕と同じようにケガで苦しんで、箱根にチャレンジしたいけど諦めようかなと思った時に、僕を見てまだチャンスがあると思って頑張れる人が増えてほしいなと思っています。僕も中大の中山選手を見て一般生でもやれると思ったので、そういった雑草魂を見せられる選手になりたいと思いますね」

 

――橋本選手自身の転換となったレースや経験はありますか。

 「一番大きな転換となったのは大学2年次の上尾シティハーフマラソンだと思っています。その時はまだ5000メートルで15分を切るくらいのタイムだったのですが、そのレースでは他大学の多くの準主力級の選手の近くで走ることができました。その試合からもっと上を目指すことができるという自信がついたので、そこがターニングポイントだったのではないかなと思います。またその時期にジョグがしっかりとできるようになってレース後半の失速がなくなったので、長い距離のレースに出るためにはジョグが必要だということをその時に実感しました。そこからジョグにもしっかりと意味を持って走り込めるようになりました」

 

――ジョグの重要性はどこにあると思いますか。

 「ジョグはポイント練習よりも大切な練習だと思っています。ジョグができていないとケガにつながりますし走力的な向上も見込めないので、ポイント練習を外してもジョグは絶対にやるという気持ちで取り組んでいます」

 

――橋本選手が大学で陸上をやっている中で一番楽しいと思った時期はいつですか。

 「やはり今年度の全日本ですね。全日本で鈴木と襷をつないだ瞬間、スタートラインに立って鈴木が飛び込んできた瞬間は、今までやってきたことが一つ形となって表れたということで、うれしかったですしワクワクしました。1年生の時にいつか襷をつなげるようになりたいなというのを冗談っぽく言っていたのですが、まさかそれが実現するとは思っていなかったので、その瞬間にすごいなというか、俺頑張ったんだなというのは感じましたね」

 

――鈴木選手と仲は良いですか。

 「そうですね、結構ご飯とかも一緒に行くので。鈴木がいてくれなかったら僕はこの学年になじめなかったかなというのはありますね」

 

――鈴木選手にはどんな走りを期待していますか。

 「結構プレッシャーを背負いやすいタイプだとは思うのですが、今年度は伸び伸び走って自分の力を100%発揮してくれればどこでも区間3番以内には入ると思うので、昨年度のように気負い過ぎず自分の力を発揮してほしいなと思います」

 

――箱根はどのようなイメージのある舞台ですか。

 「多くの学生が青春の全てをささげて取り組む大きな舞台だと思っています。やはり生半可な努力では立てない舞台ですし、そこに人生を懸ける価値はあると思える大会でもあるので、歴代の先輩方のようにしっかりと活躍して、強い明大というのをイメージ付けられるような走りをしたいと思います」

 

――箱根に向けての意気込みをお願いします。

 「シード権を5位以内で取るという目標は必ず達成したいので、自分の走りで貢献できるように体調管理と体のケアを徹底して箱根に向けてベストなコンディションをつくっていきたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[入野祐太]

 

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第98回箱根駅伝まであと3日。