(93)箱根駅伝直前インタビュー⑧/富田峻平

2021.12.27

 シード落ちの悔しさから1年。速さだけではない、勝ち切る強さを追い求めここまでやってきた。箱根駅伝予選会(以下、予選会)では圧巻のトップ通過。続く全日本大学駅伝(以下、全日本)では7位に入り、シード権を獲得するなどその実力は確かだ。昨年度の雪辱を果たし、強い明大を取り戻すために。思いを襷に込め、箱根路を駆け抜ける。 

 

 第8回は富田峻平(営3=八千代松陰)のインタビューです。(この取材は12月11日に電話で行われたものです)

 

――箱根駅伝(以下、箱根)まで1カ月を切りました。今の心境を教えてください。

 「昨年度の箱根が終わった時から次の箱根に向けて気持ちを切り替えてやっていましたので、ついに来たなという心境ですね」

 

――緊張していますか、それとも楽しみですか。

 「正直緊張の方が大きいです。この1年は箱根のために頑張ってきましたので、やはりそれをしっかりと発揮しないといけないので、そういったところでやはり緊張はしています」

 

――昨年度は9区を出走されましたが、箱根を経験できたことについてはいかがでしたか。

 「昨年度箱根を走ってみて、やはり走力ですとか勝ち切るところで大きく劣っていたなというのを痛感しました。今年度はそのリベンジを果たせるようなレースがしたいと思って1年間練習してきました」

 

――今年度のレースで一番印象に残っているものは何ですか。

 「自分自身は出走していないのですが予選会です。昨年度の箱根でシード権を逃して、予選会を走ることになってしまったのは自分のせいでもあるにもかかわらず、ケガをして現地に行くことすらかなわなかったというのは、本当にふがいないというか情けない気持ちになりました。また他の選手がしっかりと結果を残していたというところで本当に自分は今何をやっているのだろうという気持ちになりました」

 

――改めて全日本のレースについて振り返ってみるといかがですか。

 「全日本のレースは少し慎重に行き過ぎたのかなというところがありました。昨年度の箱根での失速ですとか、夏にケガをして本調子ではなく自信がない状態でしたので、もう少し攻めた走りをして、前を走っていた大学に積極的に攻めていくべきだったかなと思っています」

 

――MARCH対抗戦はどういったレースになりましたか。

 「レースに臨むまではポイント練習でもいい調子で行えていましたので、攻めた走りをしようと思っていたのですが後半失速してしまいました。やはりケガの影響で夏の強化練習での走行距離が足りていなかったかなと反省をしているので、ジョグの量を増やそうと思っています」

 

――今年度はジョグに対して意識してきた1年でしたか。

 「今年度は大きく変わったことをするというよりかは、そういった基礎をもう一度見直すということを意識した1年だったかなと思います。ジョグは陸上の基本になりますので、そういった下地をしっかりとつくるという狙いでやってきました。ジョグの走行距離は20%くらい増えましたし、そういったジョグも1回だけではなく、毎日繰り返してきましたので、トータルで見たら昨年度と比べて結構差が出ているのではないかなと思います」

 

――箱根のエントリーメンバーは3年生が一番多いですが、学年の雰囲気はいかがですか。

 「3年生は切磋琢磨(せっさたくま)という言葉がぴったりな学年かなと思います。記録会や普段のポイント練習などでも互いに意識して行うことができているのではないかなと思います」

 

――チーム内で期待している選手はどなたですか。

 「杉本選手(龍陽・政経3=札幌日大)が活躍してくれるのではないかなと思っています。彼は前半シーズンに明大が一番課題としている勝ち切るレースをしていて、常に組1着を取り続けるなど力を示してきました。現状Aチームでしっかりとポイント練習をこなしているので、箱根当日も勝ち切る試合運びをしてくれるのではないかなと期待しています」

 

――箱根に向けて意気込みをお願いします。

 「箱根では目標としている勝ち切る走りを体現できるように、一つでも多くの大学を抜かしてよりよい位置で次の選手に襷を渡せるように頑張っていきたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[永井涼太郎]

 

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第98回箱根駅伝まであと6日。