
(91)箱根駅伝直前インタビュー⑥/杉本龍陽
シード落ちの悔しさから1年。速さだけではない、勝ち切る強さを追い求めここまでやってきた。箱根駅伝予選会(以下、予選会)では圧巻のトップ通過。続く全日本大学駅伝(以下、全日本)では7位に入り、シード権を獲得するなどその実力は確かだ。昨年度の雪辱を果たし、強い明大を取り戻すために。思いを襷に込め、箱根路を駆け抜ける。
第6回は杉本龍陽(政経3=札幌日大)のインタビューです。(この取材は12月13日に電話で行われたものです)
――現在のコンディションはいかがですか。
「コンディションはまずまずといいますか、結構いい方だと思います」
――疲れもあまりない状態ですか。
「そうですね。MARCH対抗戦はまだいけるぐらいの感覚で終わることができたので、変に燃え尽きることもなくそのまま練習も継続できています」
――箱根駅伝(以下、箱根)のエントリーメンバーに選ばれたことについてはいかがでしょうか。
「1年目、2年目はずっと箱根のメンバー16人に入りたいという思いがあったのですが、今はただ入るだけではなくて、しっかり走ってチームに貢献したいという思いがあります。16人に入っただけで満足することはなく、当日しっかり走れるように準備したいです」
――以前、取材の際に「全日本に出られなくて悔しかった」とおっしゃっていましたが、そこから意識して取り組んだことはありますか。
「全日本を走れなかったのは自分の実力不足もありましたし、しっかり箱根の20キロを走れるように、走る距離を増やしたりしました」
――何人かのメンバーから注目している選手に挙げられていますが、以前よりも期待されているなと思うところはありますか。
「昨年度は本当に力がなく、期待されることもありませんでした。それでも今年度に入ってからは好調を維持してタイムを出せているので、みんなに今驚かれているという感じですね」
――その飛躍の要因は何ですか。
「特に昨年度から走る距離を増やしたりなどはしていないのですが、筋トレをやり始めました。僕自身は少し体が小さい方なので、筋トレなどをこの春からずっと継続して行えているのが一つの要因かなと思います」
――チーム目標は5位以内ですが、達成する自信はありますか。
「自分たちの力を本番で出し切れば5位はいけるのではないかと思います。やはり駅伝は流れが大事だと思うので、その流れに乗り遅れないようにしないといけないなと考えています」
――箱根はどのような舞台ですか。
「僕が陸上を始めたきっかけに、箱根に憧れたところがあります。そこからずっと箱根出場を目指してきました」
――杉本選手にとって、箱根に出る意味は何ですか。
「僕の中で箱根を走る理由として、周囲からの期待に応えたいというのがあります。沿道では応援できないと思うので、テレビを通して地元の友達や親などに自分の姿を見てほしいですね」
――メンバーで注目する選手はいますか。
「ちょっと待ってください!考えます!……えーっと、新谷くん(紘ノ介・政経1=世羅)で!」
――その理由は何ですか。
「やはり同じ部屋っ子として頑張っている姿を見てきているので、しっかり頑張ってほしいなと思います」
――やはり同じ部屋だと仲良くなりますか。
「そうですね。僕は仲が良いと思っているのですが、新谷くんがどう思っているかちょっと分からないです(笑)」
――箱根へ向けての寄せ書き(明大スポーツ第516号(箱根駅伝特集号)の1面に掲載)に、集大成と書いた意味は何でしょうか。
「今現在はいい調子でやらせてもらっていますが、今年度がそうだからといって来年度も走れている保証もないです。また、コロナの影響で来年度も試合が開催されるかも確実ではないので、今年度走るのであれば、この1年の集大成というのもありますが、僕が10年間やってきたことを全て出し尽くしたいなと考えています。そういう意味を込めて集大成と書いたのですが、別に引退するわけでもないですし、来年度以降もしっかりと走りは続けます(笑)」
――最後に箱根への意気込みをお願いします。
「しっかりと自分の力を出して、チームに貢献できるように頑張ります!」
――ありがとうございました。
[覺前日向子]
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第98回箱根駅伝まで、あと7日。
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