(88)箱根駅伝直前インタビュー③/杉彩文海

2021.12.25

 シード落ちの悔しさから1年。速さだけではない、勝ち切る強さを追い求めここまでやってきた。箱根駅伝予選会(以下、予選会)では圧巻のトップ通過。続く全日本大学駅伝(以下、全日本)では7位に入り、シード権を獲得するなどその実力は確かだ。昨年度の雪辱を果たし、強い明大を取り戻すために。思いを襷に込め、箱根路を駆け抜ける。 

 

 第3回は杉彩文海(文2=鳥栖工)のインタビューです。(この取材は12月11日に電話で行われたものです)

 

――現在のコンディションについて教えていただけますか。

 「順調に練習できているので、今は万全な状態となっています。また1年を通して練習を積むことができたので、非常に自信を持っています」

 

――最近の練習で特に力を入れている部分はありますか。

 「ポイント練習の質が上がったので、そこで崩さないということと、ハーフマラソンという長い距離に対応できるよう、ジョグの距離を伸ばすというのは意識してやっています」

 

――今の心境はいかがですか。

「昨年度は箱根駅伝(以下、箱根)のメンバーから外れて悔しい思いをして、そこから1年間過ごしてきたのですが、残り1カ月に迫ったというところで、ようやく目標としてきたところがだんだんと見えてきたという感じです。それと同時にまだ自分としては箱根の10人に入れるかどうか微妙なラインにいるので、気持ちは高まりつつも残された日数を大事にして、箱根を走ることができるように最大限の努力をしていきたいと思っています」

 

――この1年で成長を感じた部分はどこにありますか。

 「自分はこの前のMARCH対抗戦で自己ベストを出したのですが、正直更新したのは1秒くらいで、昨年度からタイムはあまり変わっていません。ですが1年生の頃は、レースの流れが良い中で走って28分台を出せたというのが大きいのですが、今年度のMARCH対抗戦では最初から出遅れてしまった中で、そこから踏ん張ることができましたし、1人でペースを刻んで28分台につなげることができました。そういったところでやはり昨年度と比べると、格段に持久的な部分と気持ちの強さというのが成長できているのではないかなと感じました」

 

――今年度チームとして取り組んできたことはありましたか。

 「今年度は鈴木聖人主将(政経4=水城)が勝ち切る走りというのをずっとキーワードに掲げていたので、小さな試合でもタイムではなく組1着を取る、勝つというのをチームとして意識して動いてきた1年でした」

 

――小さな勝ちを積み重ねていくことで自信につながった部分はありますか。

 「自分もそこまで大きな試合ではないのですが、組1着を取ることができて自信がつきました。また組1着を取るにはレースの組み立て方とかも考えて走らないといけないですし、いろいろな要素が必要となってくるので、全体的にレベルアップできたと思います」

 

――箱根出走となれば三大駅伝初出走となりますが、ワクワクした気持ちはありますか。

 「三大駅伝初出走なのでワクワクという気持ちはすごく大きいのですが、やはり三大駅伝となると自分が今まで経験してきたレースと比べて注目度も違う試合だと思いますし、その分チームの思いや応援してくださる方の思いとかが非常に強い試合だと思っています。なので三大駅伝でそういった思いを背負って走るという責任感もワクワクする気持ちと同時に感じています」

 

――走りたい区間はありますか。

 「今のところは8区を走りたいと思っています。やはり昨年度大保さん(海士選手=令3法卒・現西鉄)が区間賞を取られたコースですし、自分はタフなコースを走りたいという思いが強いです。また予選会でも自分は単独走でずっと押していったので、単独走に関しては非常に自信を持っています」

 

――杉選手にとって箱根はどんな舞台ですか。

 「箱根は幼い頃からテレビで見ていたので、ずっと夢にしていたところでもあります。また兄も大学まで陸上をやっていて、兄は箱根を走ることはできなかったのですが、兄の時から一家で箱根を夢見てきたので、家族の悲願でもある試合です。また親には大学まで陸上を続けさせてもらっているので、走っている姿を見せて恩返しできたらなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[萩原彩水]

 

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第98回箱根駅伝まであと8日。