(85)(箱根番外編)アメリカからの応援メッセージ/競歩部門・井上雄太郎

2021.12.22

 箱根駅伝まで残りわずか。そんな中、明大競走部に海を越えてチームメートからエールが届いた。現在、明大の留学助成を受けてアメリカのコロンビア大学に留学中の井上雄太郎(農4=千種)。今回は井上から競走部宛てに届いた便りを紹介する。

 現地学生のスポーツに向き合う姿勢、学生像などが細かく書かれ、スポーツに向き合う人から海外留学を志す人まで、学生にとってコロナ禍でいまひとつ不透明だった外国の大学事情を深く知ることができるだろう。

 最後には、井上から箱根駅伝に向けて、競走部への応援メッセージを掲載している。遠くの地から送られてきた、熱く、何よりチームメートへの敬意に満ちたエール。必見だ。

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※以下、井上からのメッセージ(原文)


 平素より明治大学体育会競走部の活動に多大なるご支援を賜り誠にありがとうございます。競歩ブロック・農学部4年の井上雄太郎と申します。私は明治大学より「海外トップユニバーシティ留学奨励助成金S」という助成を受け、現在、アメリカのコロンビア大学にて留学をしております。このたび、園原総監督より留学便りの執筆という貴重な機会を頂戴しました。僭越(せんえつ)ながら「現地のスポーツ事情」と「現地の学生像」という二つの観点から写真を交えてご紹介させていただきます。

駅のホーム

中程度の精度で自動的に生成された説明

学生向けのジム内にある室内トラック(競歩の選手ですのでどのレーンを使おうか悩みました)


 まず、現地のスポーツ事情ですがコロンビア大学の場合、いわゆる「体育会」のチーム活動への参加は正規の学部生(4年制課程に参加している学生)に限られています。なおかつ、大学での学業成績がチーム活動への参加に影響します。そのため、チーム活動に従事している学生は授業への参加はもちろんのこと、授業中は積極的に質問・発言をするなど、日本の体育会に所属している者としては少しカルチャーショックを受けました。それと同時に、当たり前のように文武両道を体現する彼・彼女らには感服しました。

コロンビア大学のトラック


コロンビア大学の複合スポーツ施設の案内図。市営・県営スポーツセンターのような充実感でした!


新歓シーズンで活気にあふれた大学構内


 次に、現地の学生像についてお話しさせていただきます。コロンビア大学のすべての学生が勉強熱心です。24時間開いている図書館では、日を超えても学生の数がなかなか減りません。それでもってパーティではノリノリな姿を見せるなど、オンオフのはっきりした学生が多いです。また、コロンビア大学の学生は、母語・英語に加えて1〜2程度の外国語を高い水準で運用できる学生が多数います。これからの時代、多言語を操り、さまざまな国に活躍の場を求める彼・彼女らのような人たちと切磋琢磨(せっさたくま)していくのだろうと強く実感しました。彼・彼女らに負けないように、私も日々精進したいものです。

 以上が私の留学便りとなります。末筆ながら、私が留学を含めてさまざまなことに取り組む際に、多々わがままに耳を傾け、叱咤(しった)激励をしていただいた競走部のスタッフ・部員の方々に厚く御礼を申し上げ、この留学便りを閉じたいと思います。

井上 雄太郎

僭越ながら、下記の通りエールを送らせてください。

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 コロナをはじめとするさまざまな逆境に負けず、来る日も来る日も厳しい練習に耐えながら、大きな大会を蹴ってでも授業に参加するような文武両道を貫いてきた皆さんには尊敬の念が絶えません。今回の箱根駅伝を契機として、皆さんのような姿勢が高校生や各大学のロールモデルとなり、大学スポーツ界の雄と呼ばれるような活躍ができるよう、僭越ながら応援しています! 競走部、前へ!

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※以下、園原総合監督からの言葉

 競走部は開かれた組織を目指しています。固定的な価値観に縛られず、どんどん新しい世界に挑戦してほしいと思っています。井上には「二者択一ではなく、学業と競技どちらも両立してほしい」と送り出しました。現地からのレポートをうれしく読みました。


第98回箱根駅伝まで、あと11日。