(84)箱根駅伝直前インタビュー(番外編)⑤/山本佑樹駅伝監督

2021.12.19

 シード落ちの悔しさから1年。速さだけではない、勝ち切る強さを追い求めここまでやってきた。箱根駅伝予選会(以下、予選会)では圧巻のトップ通過。続く全日本大学駅伝(以下、全日本)では7位に入り、シード権を獲得するなどその実力は確かだ。昨年度の雪辱を果たし、強い明大を取り戻すために。思いを襷に込め、箱根路を駆け抜ける。 

 

今回は山本佑樹駅伝監督のインタビューです。(この取材は12月12日に電話で行われたものです)

 

――箱根駅伝(以下、箱根)は監督としてどのようなことを意識して臨んでいますか。

 「やはり1番メインの目標なので気持ちも高ぶりますし、緊張感も出てきますが、いかに普段通り振る舞うかということが大事だと思います。特別変わったことをせずに、普段通りやりたいとは思っています」

 

――エントリーメンバー16人の選考基準はありますか 

 「まずどの区間でもこの選手がこの区間を走っているというイメージをできるかどうかが大事なので誰かしらがどこかで何かあった時に走れるという選考の仕方です。次は直近のレースで今調子がいい選手と、あとは積み重ねで夏からの練習や実績も含めて大体その三つを物差しにして決めました 」

 

――直前合宿で取り組んだことや、意識させたことはありますか 

 「イメージとしては夏合宿の最初のころですが、30キロ走をやったりちょっとしたジョギングも長めにさせたりしました。食事も今のうちにしっかりと栄養を入れておきたいので、ちゃんと食事を取りながらやろうとしました。本当にベース作りということですね。そこはできたと思います」

 

――今年度全体のチームの雰囲気はどのような感じでしたか。

 「シード落ちして、鈴木聖人(駅伝主将・政経4=水城)をすぐキャプテンにして、彼が記録だけじゃなくちゃんとした力を付けようということで、彼が旗振り役をしてしっかりやってくれました。彼がしっかりやってくれた結果がここまで出ていると思います」

 

――鈴木聖選手の主将としての成長点はどこでしょうか 

 「どちらかと言うとキャプテンとして彼自身が大人になったというか、彼自身が大人な振る舞いができるようになりました。そういった意味で彼自身が大きく、精神的な面で大きく成長したと思います 」

 

―今年度の箱根の目標はありますか。

 「チームとしては5位と鈴木聖人を中心に掲げていて、そこがポイントになると思います。何としてもシード権獲得で、今の4年生は後輩に出雲駅伝に出られる資格を渡したいというのがありますし、そこが大きな目標になると思います。5位以内でシード権は絶対に取るのが目標になりますかね」

 

――昨年度から上級生が多くメンバーに入りましたが、これはどのように感じていますか

 「学生スポーツは4年生が強いチームが強いので4年生のエントリーが多くなるのはいいことだと思います。1年生はそういった上級生を見て育つので、大西(理久・商4=須磨学園)なんかがあと一歩のところでメンバーに入れなかったりとか。そこの反省点としては、1年生、2年生で苦労した時にどれだけちゃんとやれるかなので、そう言ったところをちゃんと伝えて4年生が主導で走れるチームを毎年作れればと思います 

 

――昨年度の箱根が終わった時はどのような気持ちでしたか。 

 「正直なところ全日本で3位になって調子に乗り過ぎたというのが1番のところです。やはり今は戦国駅伝で簡単にはいかないし、トップから15校くらいは差がないのでミスがあれば落ちます。少しでもいい走りができれば上に食らいつけるし、今は力が拮抗(きっこう)しているなとは感じています。いかにベストパフォーマンスを出せるかということをやらなければいけないなと思います」

 

――当日はどんなレース展開にしたいですか 

 「本当は、順位はできるだけ上で進めたいですが、もしシード圏外だったとしてもトップとの差がどれだけ少なく済むかというのが大きいと思います。目に見えている集団にどれだけ食らいついていけるかというところだと思うので、タイム差をどれだけ減らしていけるのかがポイントになるかと思います」

 

――今年度の区間で重要になりそうなところと、キーマンは誰になりそうでしょうか

 「重要な区間は1区の滑り出しだと思っているのでそれが往路の結果につながって、それが総合順位にもつながるので、1区の走りと往路の走りはポイントだと思います。それには周りの誰がどう見ても主力だと思う、鈴木聖人と手嶋(杏丞・情コミ4=宮崎日大)と児玉(真輝・文2=鎌倉学園)が実力通りの力を発揮するのかが重要だと思います」 

 

――ありがとうございました。

 

[入野祐太]

 

山本駅伝監督へのインタビュー記事は12月21日発行の明大スポーツ第516号(箱根駅伝特集号)にも掲載されています。ぜひご覧ください。

 

第98回箱根駅伝まで、あと14日。