(79)水城高・小松﨑禎行監督インタビュー

2021.12.18

 今年度、駅伝主将としてチームを引っ張ってきた鈴木聖人(政経4=水城)。水城高時代に鈴木聖を指導した小松﨑禎行監督にお話を伺った。(この取材は12月6日にオンラインで行われたものです)

 

――初めて出会ったのはいつですか。

 「私が水城高に赴任した時の2年生に聖人の兄がいて、弟が長距離の方をやっているということで、大会の視察に行った時だと思います」

 

――その時の印象はいかがでしたか。

 「全国中学校体育大会へつながる大会の結果が思わしくなくて、悔しい結果となってしまいました。涙を流して悔しがっている姿が印象に残っています」

 

――高校時代はどのような選手でしたか。

 「競技に対しては本当に努力家で普段の練習をおろそかにすることもなかったです。上級生になった時には、自分に足りないところは何かというところとチームを引っ張っていくためにどうしようかということを常に考えて練習に取り組んでくれていました」

 

――お兄さんとの襷リレーというのも印象的なシーンですか。

 「そうですね。特に全国高校駅伝では、1年生なので、本来は短い区間等で使ってあげたかったです。しかし、直近の他のメンバーの調子もなかなか上がらずに、トータルのバランスを考えて3区に置きました。2区のお兄ちゃんには『命懸けで弟に1秒でも楽をさせてあげるように走れ』と。その役割をお兄ちゃんも果たしてくれたので、あの瞬間の襷リレーは印象に残っています」

 

――私生活ではどのような生徒でしたか。

 「スポーツクラスにいました。違う種目の子とも仲良くなれるような子でした。また、ライバルチームの一緒に競い合うような仲間ともすぐ仲良くなってしまう子です。もう少し距離を取ってもいいかなと思うこともありました(笑)」

 

――先日のMARCH対抗戦もそうでしたよね。

 「そうですね。中大の子を引っ張っちゃって(笑)」

 

――高校時代と変わらないという感じでしょうか。

 「人と仲良くなるというところは、他のチームとの合宿や遠征でもそういうところがありました。田澤選手(駒大)は1学年下ですが、国民体育大会で一緒になっていたので、その時もすごく仲良くなっていました。『大きな舞台でもリラックスして臨むためにはそういうところはすごく大事だよ』と話していました。他の子はなかなかできないのですが、聖人はコミュニケーション取ったりして、仲良くなっていました。全国大会の舞台であまり緊張せずにレースに臨む能力はあったと思います」

 

――鈴木聖選手の持ち味は何ですか。

 「やはり優しいところですね。周りの子と分け隔てなく接せる姿勢や人の話も謙虚に聞けるところ。授業の担当者から話を聞いてもしっかりと取り組んでいると聞いていたので、本当に応援されるような素質を持っているのかなと思います」

 

――印象に残っているエピソードは何かありますか。

 「二つあります。一つは今でもそうですが、ゴールの時にガッツポーズをすることが多いです。高校の時もインターハイで10番だったのですが、記録は県の高校記録を出していたので、ガッツポーズをしていました。10番でガッツポーズをする人はなかなかいなくて、周りの9番や11番になった選手は悔しがっていた中、聖人はガッツポーズしていました(笑)そういうのはこのレースだけでなくて何回かあったかなと思いますね。もう一つは3年の県の高校駅伝です。私は全く知らなかったのですが、気合を入れるためか、当日みんな五厘にしてきました。そういう思いの強さは感じ、結果優勝できて良かったのですが、次の年の中学生が来ないのではないかとヒヤヒヤしていました(笑)五厘にしないといけないと思われてないかなって(笑)」

 

――大学に入ってからの活躍はどのように見えていますか。

 「監督さんをはじめ、いい仲間にも巡り合えて非常に充実した4年間を過ごさせていただいているなという印象です。本人の努力ももちろんですが、本当に多くの人に支えてもらって今の聖人が成り立っていると思います。本当に頑張っているという思いと感謝の思いです。毎回のレースも応援させてもらっています」

 

――実業団で競技を継続することが決まっています。その点はいかがですか。

 「実は私の大学の同期に、今は亜大のコーチをやっている佐々木悟という数年前まで旭化成の主将を務めており、五輪に出た選手がいます。だいぶ前に『いつか私の高校の卒業生で佐々木君と同じ旭化成に行く子が出てきたらいいな』なんて冗談で話していました。それがこんなに早く実現するとは思わなかったです。日本一レベルの高いチームなので、心配な部分はありますが、ぜひ高いレベルでチャレンジしてほしい。頑張ってほしいという思いです」

 

――鈴木聖選手へメッセージをお願いします。

 「一生懸命箱根駅伝に向けて最後のトレーニングを積んでいると思います。チームとやってきたことを信じて箱根駅伝の舞台を思う存分楽しんで駆け抜けてもらいたいと思います。今年度も応援には駆け付けられないのですが、茨城からテレビの前で応援をしています」

 

――ありがとうございました。

 

[大橋直輝]

 

◆小松﨑 禎行(こまつざき・よしゆき)

 

小松﨑監督へのインタビュー記事は12月21日発行の明大スポーツ第516号(箱根駅伝特集号)にも掲載されています。

明大スポーツ第516号(箱根駅伝特集号)はこちらからお買い求めできます。明大ファン、駅伝ファンの方は必見です! 

 

第98回箱根駅伝まであと、15日。