自信持ってください
私は人の目が怖い。他人にどう思われているのか気になって仕方がない。だから自信を持てない。身長が高いことがコンプレックスで、視線を向けられているような気がしてしまうことも理由の一つであると思う。だから歩く時は下を見てしまうし、両耳をイヤホンでふさいでいる。
「自信持ってください」。塾講師として働いている私は、ある日生徒にこう言われた。何個も年が下の男の子に励まされる。なんて情けないのだろう。そんな自分が恥ずかしく、嫌になる。とっさに返す言葉が見つからなかった。
その日の帰り道、自分で自分を見つめ直してみた。「あ、また下向いてる」。意識しないと気が付かなかった。もう体に染み込んでしまっている。今まで何度「自信持ちなよ」と言われただろう。部活をしている時も、受験の時も、服を選ぶ時も、友達に何かを提案する時も…。気が付けばどんな場面でもその言葉が付きまとっていた。自分の意見に自信を持つことのできない私は、ついには友達に「私の行きたい所ばかり付き合わせてごめん」と謝らせてしまった。逆に気を遣わせて、一体私は何をしているのだろう。
相手の目を気にしすぎて自分自身がつらくなる。しかしそのせいで相手にも気を遣わせることになる。まさに負の連鎖である。配慮することと相手の目を気にすることは大きく異なるのだ。それなのに私はその二つを一緒くたにしてしまっていた。配慮は欠かせない。しかし、目を気にしすぎると自分の信念が無くなってしまう。考え方を改めないと。
生徒の子のおかげで自分を見つめ直すことができた。いきなり自分を変えることはできないけれど、まずは姿勢を正して歩くことから始めよう。いつか自信に満ち溢れた自分自身でいられることを目指して。
[清水優芽](執筆日:11月17日)
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