イメチェン
最近、イメチェンのために髪型をセンターパートにしている。夏まではセンターパートやマッシュを嫌い、散髪にも美容院ではなくバーバーを利用していた。しかし、アルバイト先で女子高生に「怖い」と言われているのだとしたら、変えない選択肢はない。
髪型だけでないことも分かっている。つり目な上に日常的に眉間にしわが寄っている。知り合いに会うと「怒ってる?」と言われることはあいさつ代わりだ。もちろん、怒ってなんていない。けんかとは小学6年次の頃から約10年間無縁な、至って平和主義な人間だ。
小学生時代、生意気で態度の大きかった自分は上級生に目の敵にされていた。体は小さかったが、それを理由になめられたくはなかった。そのために私が考えた解決策は一つ。廊下を歩くときは、胸を張り、眉間にしわを寄せることで周囲を威嚇するというものだった。
「習慣は第二の天性なり」ということわざがある。身に付いた習慣が知らぬ間に染み付き、生まれつきの性質のようになるという意味である。このことわざに当てはめると「眉間にしわを寄せる」ということが、私にとっては第二の天性である。小学生時代とは違い少しがたいが良くなってしまった今の自分には、マイナスな影響を与えることの方が多い。
その習慣が、どのくらいの時間をかけて自分の第二の天性となったかは分からない。10年以上の年月を共にした習慣だが、そろそろ別れを告げたい。髪が伸び切りきれいなセンターパートができるようになった暁には、口角を上げて目を見開きながら歩くという行為を意識づけようと思う。いつかその行為が私にとっての第二の天性となり、第一印象が「優しそう」と言われる日が来ることが私の人生目標だ。
[野口優斗] (執筆日:11月17日)
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