ドラえもんと友人
「何でも願いがかなうなら、ドラえもんがほしい!」。小さい頃、一度は友人と話していてあがるネタではないだろうか。青色のロボットのポケットから、便利なものが次から次へと出てくる。どこでもドア、タケコプター、暗記パン……。机の引き出しを開くとドラえもんが現れてきてくれないだろうか。
私の交友関係は狭い。ちゃんと「この子は友人です」と紹介できるのは何人いるだろうか。でも交友関係が狭い分、友人だと思える子とは長く、深く、付き合っていきたい。そう思っているのが私だけじゃないといいのだけど。
ストレス発散の時や不安な気持ちを抱えている際には、趣味に没頭するといいとよく聞く。でも私は、友人に話を聞いてもらえるだけで心が晴れる。とんだ単純な人間だ。
のび太はよく、ドラえもんに泣きついて、便利道具を与えてもらっている。その代わりに、ドラえもんに寝床やドラ焼き提供しているから、ギブアンドテイクの関係は構築されているのだ。ドラえもんの存在はのび太にとって大きすぎる。だからこそ、突然いなくなった時にどうすればいいかわからなくなってしまう。
空を車が飛ぶような時代が訪れたら、タイムマシンも開発されているかもしれないし、ドラえもんも一家に一台の存在になっているかもしれない。でも、私たちが生きている間はそんなことが起きるのはゼロに近いだろう。困った時に泣きつけるドラえもんはいないけれど、私にはドラえもんのように頼りになる友人がいる。そんな友人と一緒なら何でも乗り越えられる、そんな気がしている。
[都甲可奈子](執筆日11月16日)
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