
(46)インカレ直前インタビュー⑨/石井優輝
石井組の集大成を見せつける。12月8日より開幕する全日本大学選手権大会(以下インカレ)。今季は未だ王座をつかみ取れていない明大。創部100周年の節目の年に戴冠を。この大会に懸ける思いは計り知れない。関東第3代表として臨む明大の戦いは、12月11日、高知大と宮崎産業経営大の勝者との2回戦から幕を開ける。悲願のタイトル獲得へ、負けられない戦いの火ぶたが切られようとしている。
最終回はDF石井優輝主将(政経4=昌平)へのインタビューをお届けします。
石井
――今シーズンを振り返っていかがですか。
「なかなかうまく行かないなというのは主将としてチームを引っ張る中で一番思うところです。結果を見てもそうですし、全員の方向性を合わせる面でも苦労しています。サッカー以外の部分で1、2年生には仕事を任せているのですが、仕事をやってもらっている意図をしっかり伝えて実行してもらうことへの苦労とかもありますね」
――明大に入ったきっかけを教えてください。
「練習参加した時の全体のレベルの高さと、4年生が印象に残って『ここでサッカーしたいな』というふうに思いました。当時自分がセカンドチームの練習に入った時に、トップチームになかなか絡めていない4年生が全体に響き渡る声で『これじゃトップ上がれないぞ』って叫んでいたのがとても印象的でした。こんなにトップもセカンドも同じ熱量を持って練習しているチームはないと思ったので、そこで4年間自分の身を置いて、しっかりやろうと思いました。当時はサッカーのことしか考えてなかったですが、もっと上にいけると思ったので明治に入りました」
――4年間で印象に残っている思い出を教えてください。
「もちろんうれしいこともあるのですが、今振り返ると苦しかったことの方が多いです。もちろん試合に出るか出られないかもそうですし、1年生の時は自分のポジションが空いていても、違うポジションの先輩が入ることもありました。4年生で主将になってからも、自分が試合に出ても出ることができなくても、チームを勝たせなくてはなりません。サッカー以外のところでも就活や進路を決めなければならず、とても葛藤した4年間でした。でも、その環境こそが明治だと思うので、今思えば自分を成長させてくれたなと感じます」
――やりがいを感じている部分をお願いいたします。
「やはり100周年や3連覇が懸かっていたリーグ戦の中で、一試合勝った時の喜びがあったことですね。自分が1〜3年生の時に経験した勝利よりも感動が大きいことがありました。チームがまとまっていると、自分のやってきたことが生きているのだなということを感じます。あとは面識のないOBの方が自分のプレーを見て『戦う姿が気持ちいい』と言ってくださったという話を聞いてやりがいも感じましたね」
――同期への思いをお願いします。
「4年間、苦しい時の方が多くて、どの代よりも苦労している代でした。だからこそ絆が強くなりましたし、同期愛も大きくなりました。弱い代と言われてきたからこそインカレは絶対に取りたいタイトルですし、苦しんできた代でもできるということを、これからの明治を作っていく後輩に残していきたいです」
――栗田大輔監督やコーチ陣への思いもお願いします。
「スタッフの皆さんに関しては自分が明治に入ってからずっとお世話になりました。栗田さんも常に厳しく指導してくださって感謝しかないです。サッカーだけやっていたら今の自分はないと思うので、栗田さんのような社会人出身の監督だったからこそ、サッカー選手としても人としても大きく成長できたと思います。コーチングスタッフの方も、自分が1年生の時に尖っていた中で、見捨てずに指導してくださいました。本当に感謝しかないですし、だからこそラストシーズンで感謝の意味でインカレを取りたいです」
――インカレへの意気込みをお願いします。
「やはり感謝を形にしたいという思いがあります。戦う姿勢もそうですが、周りから見て一番形として見えるものが結果だと思うので。インカレで優勝して、今まで4年間お世話になったスタッフ、両親、明治を応援してくれてる方たちにわかりやすい感謝の形を優勝で表現したいです。タイトルを取りたいですし、個人的にはタイトルを取れなかった代の主将にはなりたくないので、なんとしてもチームの勝利のために戦いたいですね」
――ありがとうございました。
[萩原亜依]
◆石井優輝(いしい・ゆうき)政経4、昌平、175センチ・70キロ
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