(45)インカレ直前インタビュー⑧/岡庭愁人、稲見哲行

2021.12.09

 石井組の集大成を見せ付ける。12月8日より開幕する全日本大学選手権大会(以下インカレ)。今季は未だ王座をつかみ取れていない明大。創部100周年の節目の年に戴冠を。この大会に懸ける思いは計り知れない。関東第3代表として臨む明大の戦いは、12月11日、1回戦で高知大を下した宮崎産業経営大との2回戦から幕を開ける。悲願のタイトル獲得へ、負けられない戦いの火蓋が切られようとしている。

 今回は今季副将を務めたDF岡庭愁人(政経4=FC東京U18)とMF稲見哲行(文4=矢板中央)へのインタビューをお届けします。

 

岡庭

――今季をここまでを振り返っていかがですか。

 「関東大学1部リーグ戦(以下、リーグ戦)最終節で負けてしまって、懸けていた思いが強い分、悔しさも強かったです。それでも最後にインカレという、思いをぶつけられる舞台があるので、25日に笑って終われるように練習しています」

 

――リーグ戦ではベスト11に選出されましたがいかがですか。

 「もちろん嬉しかったですが、(表彰式で)明治が3位と聞いた時は『この賞受賞していいのかな』という気持ちがありました。個人タイトルは初めてなので嬉しいですけど、それ以上に悔しい思いが強いです」

 

――4年間での一番の思い出は何ですか。

 「いろいろな思い出があってなかなか選べませんが、2年次の5冠獲得や、1年次の開幕戦で筑波大に大勝したり、3年次にはリーグ戦で優勝できたり、今年は開幕戦で優勝候補と言われていた流経大相手にいいゲームできたりとか。本当に選べないですが、やはりタイトルを取れた瞬間は印象的です」

 

――栗田大輔監督をはじめとするスタッフの方々にはどのような思いがありますか。 

 「今季が始まってから『栗田監督のため』にというのはずっと思っていました。自分もリーグ戦上位を走る難しい中で、特別指定選手としてFC東京に行かせてもらったり、無理を言ってやらせていただいたことも多いので、結果を残して最後は胴上げしたいと思っています」

 

――4年間を共に過ごした同期にはどのような思いがありますか。 

 「リーグ戦に出場できなくてBチームで頑張っている選手やケガでサッカーできない選手など、いろいろな同期がいる中で自分は試合に出させてもらっています。その思いを背負って力強いプレー見せていきたいです。あとは同期で楽しむということも決めているので、硬くなりすぎずに有終の美を飾れるようにしたいです」

 

――インカレに向けての意気込みをお願いします。

 「同期や後輩、スタッフに監督。今季は昨季とは違うチームですし、今季のチームで優勝することに価値があると思います。自分たちがやってきたことは間違ってないと思いますし、最後に明治を体現して笑って終われるように一戦一戦戦っていきます」

 

――ありがとうございました。

 

稲見

――4年間を振り返っていかがですか。 

 「人間として成長できたと思います。もちろんサッカーをするために入りましたが、それ以外の部分で、寮生活も初めてでしたし、就職活動も経験して、大学生活でさまざまな人と接する機会が多くて、サッカー以外の日常的な面での学びが大きかったです。サッカー面でも勝つためにさまざまなことを考えたことが自分の成長につながったと思います」 

 

――リーグ戦後期は出場がありませんでしたが、なぜ欠場していたのでしょうか。 

 「アミノバイタルカップが終わった後に、肉離れして4カ月離脱してしまいチームに迷惑をかけました。11月に復帰したので、ここから練習してリーグ戦で出ることができず、優勝できなかった悔しさをぶつけたいと思います」 

 

――リーグ最終戦の流経大戦、試合終了の笛が鳴った瞬間はどのような心境でしたか。

 「リーグ戦を1年間戦ってきて、自分たちは苦労してきた代なので、優勝したかったですし、それが達成できなかったことが悔しいです。ただそれ以上に自分がその場にいない、戦えていないということが悔しかったです」 

 

――4年間を共に戦ってきた同期にはどのような思いがありますか。 

 「同期がいてこその4年間だと思います。自分も同期にたくさん支えられましたし、下級生のころは仕事もあり、サッカーもうまくいかなくて仕事とサッカーでたくさん悩んできた代なので、最後はみんなで笑って終わりたいなと思います」 

 

――後輩たちにはどのような思いがありますか。

 「明治という組織がどうあるべきかということや、勝ち続けることを求められると思いますが、奥底には楽しむことや仲間のためにという思いがあります。それを表現して、プレッシャーはあまり感じずにやってほしいなと思います」 

 

――栗田監督への思いを聞かせてください。

 「栗田監督にはサッカー面でもそれ以外でもたくさんのご指導をいただきました。自分が最も尊敬している監督の一人なので、残りの試合や今後の活躍で感謝を伝えたいと思います」 

 

――インカレに向けての意気込みをお願いします。 

 「インカレでも明治の看板を背負うプレッシャーはありますし、今季はここまで無冠というプレッシャーもあります。それでもそこにとらわれ過ぎずに、大学生活の最後でもあるので、同期や明治の仲間と1日でも長くサッカーができるように頑張りたいと思います」 

 

――ありがとうございました。

 

[土屋秋喜]

 

◆岡庭愁人(おかにわ・しゅうと)政経4、FC東京U―18、171センチ、65キロ。来季からはJ1・FC東京へ加入する。

◆稲見哲行(いなみ・てつゆき)文4、矢板中央、178センチ、75キロ。来季からはJ2・東京ヴェルディへ加入する。