
(44)インカレ直前インタビュー⑦/内田将太
石井組の集大成を見せ付ける。12月8日より開幕する全日本大学選手権大会(以下インカレ)。今季は未だ王座をつかみ取れていない明大。創部100周年の節目の年に戴冠を。この大会に懸ける思いは計り知れない。関東第3代表として臨む明大の戦いは、12月11日、1回戦で高知大を下した宮崎産業経営大との2回戦から幕を開ける。悲願のタイトル獲得へ、負けられない戦いの火蓋が切られようとしている。
今回は今季主務としてチームを支えたMF内田将太(法4=近大高)へのインタビューをお届けします。
――主将として戦ったインディペンデンスリーグを振り返っていかがですか。
「今季はケガ人が多くかなり厳しい状態が続いていたので、グループステージは1敗だけで勝ち上がることができたのはBチームとしての成長も感じましたし、全員にとって良い経験だったと思います。それでも準決勝や3位決定戦など、勝負が懸かった試合での経験の少なさが試合の運び方に影響して、チームとしてベクトルを統一できていなかったと思います。グループステージはいい意味でリラックスしてプレーできていましたが、勝負がかかった緊張感のあるゲームではそういうところが足りなかったのかなと思います」
――主務としての1年はいかがでしたか。
「選手としてだけでなく運営にも関わってきた中で、コロナ禍で大変な時期ではありましたが、選手がピッチに立って頑張ることはもちろんですが、試合をするに当たってどれだけの人が尽力しているのかということを肌で感じることができました。学連幹事長の後藤大輔マネジャー(商4=愛知県立千種)はすごく大学サッカーのための頑張っていて、そういう人たちのおかげで自分たちがサッカーに没頭できることは当たり前ではないなということをすごく感じました。また、主務として栗田大輔監督という大企業で働くビジネスマンと協働する中で『社会は甘くない』ということを感じさせられました」
――主務と選手の両立はいかがでしたか。
「ピッチに立てば主務という肩書きは関係ないと思っているので、主務が大変だからコンディションが悪いというのは言い訳にならないですし、そこは自分自身割り切ってやっていたので、主務だからピッチ内でどうだということはありませんでした。もちろんチームの中心としての責任感や、自分だけでなく後輩を思ってどういう発言をするべきか考えるようになって、明大サッカー部とはどういうものであるかという観点から物事を考えられたと思います」
――4年間で印象に残っている場面はありますか。
「自分の中では二つあって、まずは1年生のころのぶつかり合っていたミーティングです。もうすぐ20歳という人間が言い合って、喧嘩になるくらいぶつかり合っていたというのが思い出で、その時期が今にも生きているのかなと思います。もう一つが2年生の時のインカレ決勝での校歌斉唱がすごく印象に残っています。みんなが全力で声を出していて、全部員がベクトルを合わせて、全員が明治の優勝に対してすごい思いを持って取り組むというのが明治なんだなと思ったので印象に残っています」
――同期に言葉をかけるならどのようなことを伝えたいですか。
「あと少しで引退なので、もちろんタイトルを取りたいという気持ちはあると思いますが、まずはサッカーを心から楽しもうということです。このメンバーでできる時間も限られているので、あまり頭を硬くせずに、楽しくやれば結果もついてくると思うので、気負いすることなくのびのびと最後は楽しんでやりたいです」
――栗田監督の言葉で印象に残っているものはありますか。
「自分が入学してすぐのころに言われた言葉で、それが『今のままの価値観でやっていってもいい人にはなれるけど、影響を与えることのできる人にはなれない』という言葉です。自分自身1年生のころは声を出すということがあまり得意ではなくて、このままやっていても真面目な内田先輩にはなれるけど影響力を与えられる人間にはなれないと練習後に言われて、それを自分自身すごく考えていました。そこに取り組んできたことが今の主務としての活動にもつながっていると思いますし、そこはすごく自分を変えてくれたなと思っています」
――栗田監督にはどのような思いがありますか。
「自分たちは1年生のころからかなり指導していただいて、誰一人完璧ではないですけど、入部したてのころはすごく未熟だった自分たちを胸を張って社会人になれるような人間に育てていただいたという恩をすごく感じます。自分たちが社会に出て活躍するのはもちろん大切だと思いますが、一番はインカレでの優勝だと思うので、そこに向けて4年生中心に、栗田監督のための大会だとも自分は思っているので、そこで胴上げして終わりたいなと思っています」
――ありがとうございました。
[土屋秋喜]
◆内田将太(うちだ・しょうた)法4、近大高、175センチ・71キロ。
毎年明スポとの連絡係も務める主務。取材調整にもご協力いただきました、1年間、本当にありがとうございました。
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