(43)インカレ直前インタビュー⑥/藤原悠汰、杉浦文哉

2021.12.07

 石井組の集大成を見せつける。12月8日より開幕する全日本大学選手権大会(以下インカレ)。今季は未だ王座をつかみ取れていない明大。創部100周年の節目の年に戴冠を。この大会に懸ける思いは計り知れない。関東第3代表として臨む明大の戦いは、12月11日、高知大と宮崎産業経営大の勝者との2回戦から幕を開ける。悲願のタイトル獲得へ、負けられない戦いの火ぶたが切られようとしている。

 今回はFW藤原悠汰(政経4=広島皆実)、MF杉浦文哉(政経4=名古屋グランパスUー18)へのインタビューをお届けします。

 

藤原

――この1年間チームとして、また個人としてそれぞれどんな成長がありましたか。

 「チームとして自分たちが一つにまとまらないと勝てない代ではありました。そういう中で試合を重ねるごとにチームが勝ちというものに対して貪欲になり、チームとしてまとまって勝ちにいこうとしていました。同じ方向を向いていたからこそ、苦しい試合でも勝つことができたり引き分けることができたりする試合が多かったです。しかし今でもまだまだそろっていない時に負けてしまうのは今のチームの課題だと思います。そこをもっと自分たちで突き詰めていくという作業をやって、インカレでこの明治にタイトルを残したいなと思います」

 

――もう少しで引退となりますが、4年間を振り返っていかがですか。 

 「本当に人として大きく成長できた4年間だったかなと思っています。明治に来る選手は高校時代中心となっていた選手ばかりです。そんな中で今までは中心としてやっていても大学に入れば全然そんなこともないという境遇になってしまうことは当然競争の中であり得ます。下級生の頃、特に1年生の頃なんかはIリーグにも出場できなかったり、セカンドチームの公式戦にも絡めないという状況がありました。そこで目の前のことから逃げずに立ち向かっていく中で、自分なりの色を出して工夫を加えながら進んできた4年間だったので、そういう意味で人として、考え方や人間性も含めて大きく成長できた4年間だったと思います」

 

――栗田監督への思いを聞かせてください。 

 「サッカーだけではなくて、やはりプレーするのは人なので人としての成長を促されたことがありました。もちろん目指しているのはプロなので、世界に行ったときに自分が苦しむであろうポイントをしっかり教えてくださったりしたのは、とても今の自分に生きています。結局プロに行っても競争が待っていると思うのですが、明治で先輩方と競い合う経験をさせてもらいました。それがある意味自分のプレーにもつながっているところだったりマインドも成長させてもらえたところだったと思います」 

 

――同期への思いも教えてください。

 「1年生の頃サッカーはうまくいかないし、罰も食らっていて上級生から『おまえら仕事も出来ないしサッカーも出来ないし、本当に何しに来たんだよ』と言われるほどどん底だったと思います。その中でも4年間、切磋琢磨(せっさたくま)しながら良いときも悪いときも厳しいことを言い合ったり、笑い合うこともありました。やはりそういう4年間を共に過ごしてきた仲間と、最後は笑って終わりたいなという思いがとても強いです」 

 

――ありがとうございました。

 

杉浦

 ――4年間の思い出を教えてください。 

 「入学して1、2年生の頃は、大学の授業や寮など環境が変わって、その中でサッカーも両立しながらやっていくのは本当に大変でした。下級生の仕事を同期のみんなと頑張ってきた中で、なかなか試合に絡めずに自分たちの学年は苦労しました。リーグ戦は優勝という形で終えることはできませんでしたが、優勝争いができて本当に良かったですし、改めて考えるとよく頑張ったなというのが素直な感想です」 

 

――4年間でどのようなことを学びましたか。 

 「栗田監督が『明治はプロ選手の養成所ではなく、人間性を追求していく場だ』といつもおっしゃっているように、人間性の部分をこの4年間で一番追及しました。実際に自分でもその人間性という部分が成長したなと思いますね」 

 

――栗田監督への思いをお願いします。 

 「個人的には、栗田さんに声を掛けてもらって明治大学に入学しました。明治という場があるという話をしてくださったのも栗田さんですし、入学してからも毎日の練習の中で指摘をしてくださって、熱い指導をしてくださったことで今の自分があります。明治大学を卒業しても、明治のサッカー部を思いながら、刺激されながらやっていくと思うので、これからも栗田さんに成長した姿を見せられるようにこれからも頑張っていきたいと思います。本当に栗田さんには感謝しています」 

 

――インカレへの意気込みをお願いします。 

 「明治大学サッカー部の100周年という年に巡り合わせていただいて、無冠で終わるわけにはいかないです。このメンバーでやるのも最後になるので、4年間やってきたことを証明出来たらなと思います。個人的にもプロに行く前に、サッカー部に置き土産として優勝という結果で恩返し出来たらなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[萩原亜依]

 

◆藤原悠汰(ふじわら・ゆうた)政経4、広島皆実、165センチ・66キロ

◆杉浦文哉(すぎうら・ふみや)政経4、名古屋グランパスU―18、174センチ・68キロ