(42)インカレ直前インタビュー⑤/加藤蓮、西矢健人

2021.12.06

 石井組の集大成を見せつける。12月8日より開幕する全日本大学選手権大会(以下インカレ)。今季はいまだ王座をつかみ取れていない明大。創部100周年の節目の年に戴冠を。この大会に懸ける思いは計り知れない。関東第3代表として臨む明大の戦いは、12月11日、高知大と宮崎産経大の勝者との2回戦から幕を開ける。悲願のタイトル獲得へ、負けられない戦いの火ぶたが切られようとしている。

 今回はDF加藤蓮(営4=北海道コンサドーレ札幌U―18)、MF西矢健人(商4=大坂桐蔭)へのインタビューをお届けします。

 

加藤

――4年間の思い出を振り返っていかがですか。

 「下級生の時はサッカー以外の仕事をやらなければならないのですが、それがとてもきつかったです。上級生から厳しく指導され、サッカー以上に同期でぶつかり、話し合ったことを覚えています。しかし、それがあったからこそここまで成長し、チームを引っ張れているのだと思います。サッカー面では、自分が2年に5冠を達成したのですが、その時の4年生と一緒に高みを目指せたのが思い出ですし、自分のキャリアや成長につながった年だったと思います」

 

――4年間で学んだことを教えてください。

 「1年次は岩武克弥選手(令1政経卒・現横浜FC)、2年次は中村帆高選手(令2法卒・現FC東京)、森下龍矢選手(令2文卒・現名古屋グランパス)、3年次は常本佳吾選手(令3政経卒・現鹿島アントラーズ)など同じポジションの先輩方を間近で見てきて学ぶことが多かったです。自分の強みをいかに1試合の中でどんな相手にも発揮できるかがすごく大事だと思うのですが、それを代々の先輩方から学びました。また、明大の譲れない三原則を体現するには4年間の積み重ねがなければできませんし、先輩方が示してくれたことをやり続けることができたからこそ、今4年生になってすごく成長を感じているのでそれは良かったと思います」

 

――栗田大輔監督から指摘されたことで印象的なことを教えてください。

 「『常に考え続けろ』と日頃からよく言われています。今もまだまだですが、プロのキャリアに行くにつれてもっとレベルアップしていかなければいけないと思っています。それが自分に足りていないことなので、そういったことをピンポイントでアドバイスしてくださることはうれしいですし、向上心を持ってやっていかなければいけないなと思います」

 

――後輩へのメッセージをお願いします。

 「明大に入れたことを誇りに思ってほしいです。自分が4年間を過ごしてきて感じることはたくさんありますが、サッカーでも私生活でも本気で過ごしていると必ず成長できるのでこの4年間を無駄にしないように今何ができるのかを考えながら行動してほしいです。また、気付いたもの勝ちで、一つ一つの取り組みが4年生になった時に差となって出てくるので下級生の時からそういったことを意識して取り組んでほしいです」

 

――インカレに向けた意気込みをお願いします。

 「個人としては4年間の集大成であるので、自覚と責任を持ってチームを引っ張っていきたいと思います。まずは、一戦一戦に目を向けて自分の特徴である一対一の守備や運動量でチームに貢献していきたいです。チームとしてはさまざまな思いがありますが、これまでやってきたこと、この1年間積み重ねてきたものを信じて戦っていくことが大事だと思います。一人一人ができることを全力でやり、明大の強さを見せつけて優勝したいです」

 

西矢

――4年間を振り返っていかがですか。

 「1人のサッカー選手としても成長させてもらいましたが、サッカー以外のところで考えさせられるところはたくさんありました。普段から礼節を重んじるところなど、普段から明治が大切にしていることから学ぶことが多かった4年間でした。サッカーと私生活の部分はぶつ切りではなくて、両方が大事なのだと改めて感じました」

 

――1年生の頃から成長した部分はどういった部分でしょうか。

 「メンタルの部分が大きく成長したと感じています。普段サッカーでも考える力や、考えるにしても本質を捉えて考えるということ、下級生次の仕事を通じて自分の気持ちをコントロールする力などが身に付いたと思います。一人の人としてもサッカー選手としても、自分のやるべきことをやれるようになったり、そのために今どうするのか考えることができるようになったりしました。考えることの重要性や、自分の在り方を考えて客観視できるようになったなと思います」

 

――栗田監督への思いをお願いします。

 「自分が選手としてもう一つ上の段階に上がるための指導であったり、サッカー以外の社会人からの見え方の部分であったりなど、多くを教えていただいた監督です。最後に栗田さんを胴上げして優勝監督にしてあげたいとも思いますし、今まで成長させてくれた感謝を形で表したいと思います」

 

――同期への思いもお願いします。

 「1年生の時からいいときも悪いときも一緒に共有してきた仲なので、最後は笑って終わりたいです。自分がうまくいかないときや苦しいときに助けてもらった分、最後メンバーに入れなかった選手やケガをしている選手のためにも頑張りたいと思いますし、みんなで優勝しようと思っています」

 

――後輩に向けたメッセージをお願いします。

 「学年関係なくチームのためにできることをやってほしいなと思います。チームの一員であることに変わりはないので。うまくいかないときや苦しいときは自分たちが絶対に引っ張ったり、ミスをカバーしたりするので4年生のためではなく自分たちのために思いっきりやってほしいです。みんなで最後優勝を分かち合えればいいなと思います」

 

――インカレに向けての目標と意気込みをお願いします。

 「目標はもちろん優勝なのですが、目の前の相手に勝つことを考えて、今までの4年間で成長させてもらったことや自分のサッカー人生を懸けて戦いたいです。そういったことの最後に結果が付いてくると思うので、自分のやってきたことや思いをプレーで表現して、見てくれている選手や後輩、スタッフに感じてもらえればいいなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[新津颯太朗]

 

◆加藤蓮(かとう・れん)営4、北海道コンサドーレ札幌U―18、175センチ・72キロ

◆西矢健人(にしや・けんと)商4、大阪桐蔭、174センチ・68キロ