(94)~playback~ 飯沼蓮(後半)「疲れて弱っている姿は伝統ある明治のするべき姿ではない」

2021.12.04

――最上級生になって変わったことはありますか。

 「主将になったので責任というか見られているし一つ一つの行動に意識するようになりました。中途半端な部分を見せてはいけないとも思いました。一番考えたのはチームの一日一日一人一人のモチベーションもあるしコンディションもありますがいい練習をするためにはどうすればいいかを今でもずっと考えています」

 

――春はケガで離脱しましたがケガから学んだことはありますか。

 「(ケガの離脱は)初めてです。最初は主将なのにと落ち込みましたがこれも意味のあることだと思って、逆にチャンスというふうに両親から教わってきたので意味のあることだと思ってネガティブからポジティブ変えて何をしようか考えました。まずチームを客観的に見て、やはり主将になった当初は大変だったのでそこで心に余裕を持って復帰しました。(ケガの間は)春シーズンは主将のやることが多くて個人にフォーカスできなくてプレーも最初の方は良くなかったですし一回リセットしました。復帰してから調子が良かったですしあのケガがあって個人にしっかりフォーカスできました」

 

――対抗戦前半を振り返っていかがですか。

 「最初の相手の時は難しいですが、明治の悪い癖で相手に合わせた準備をしてしまって心のスキがありました。特に日体大戦は良くなくて、去年は慶応に負けてから気付いて修正して帝京と早稲田に勝てましたが、今年は勝って成長したいとは春から言っていたので日体大戦後にもう一回集まりました。そこで全員で危機感を感じ、全員が生まれ変わって筑波戦、慶応戦とまだ完璧ではないですがチームはいい感じになっているので日体戦があって良かったと思います。(話し合いを通して)本音を知ることができて良かったです。最後はコーチから一番大切なこと技術ではなくて明治が今までやってきたクイックセットや練習の態度を見つめ直して100%の準備を掲げていい準備したら筑波戦で結果が出たし→出ました。また、自分たちはできると自信を持てたし準備力を高めていけばさらにいいパフォーマンスできると知れたのでそこは良かったです」

 

――自身が考える強いチーム像を教えてください。

 「今年一番こだわってきたことですが、今年は基本のことしかやっていなくてきつい中で本質が見えると思います。その中でいかにフォーカスを意識し続けて細かいアティチュードだったり相手より早く立つこと一歩でも前に出るとか細かいことをできるチームが最後勝つと思うので、競ってきつい後半になってどっかでスキが見えたチームは負けると思うし、そこを最後まで貫けたチームは強いと思います」

 

――4年間で楽しかったことやつらかったことはありますか。

 「私生活では上下関係もなく毎日楽しいです。あとは勝つ文化を持って素晴らしい監督やコーチ陣がいてラグビーできるのが一番幸せです。つらかったことは1年生の時に春は部内マッチで駄目で下のチームに落ちてデビューして次の試合でも良くなくてルビコンに落ちてそこでは挫折をしました。あと今年は主将になって大変だしうまくいかなかったことも多かったので4年目が一番つらいです」  

 

――後輩に全国優勝を伝えたい気持ちはありますか。

 「もちろんあります。明治は優勝したときから強くなってベスト4は当たり前で勝つ文化というか勝ち方も知っていると思うので僕たちの代でもう一度優勝してテーマである誇りを取り戻して明治の伝統というかもう一回強い文化を譲り渡したいです」

 

――明早戦に対する思いを教えてください。

 「早稲田はいつもライバルだし、僕が出た試合は全部勝っていて早稲田には絶対負けたくないという気持ちはみんなもそうだと思うけどあります。(早大の印象は)コーチ陣が変わってラグビーのスタイルも変わりました。ですが変わらずBKの展開力はあるし見ていて面白いアタックをしています。でもしっかり準備して明治の強みを出せれば勝てると思います。毎年そうですけどBKですね」

 

――改めて『MEIJI PRIDE』にはどんな意味が込められていますか。

 「大まかなことは提示している通りで私生活でも試合中でも明治として誇りのある行動をしようという意味です。きついときに疲れている弱い姿を見せたりタックルで逃げたり弱気になるのはこの伝統ある明治のするべき姿ではないです。本質の部分でどれだけしんどい場面でも相手より早く立ってセットして相手より一歩前に出て走るというところが『MEIJI PRIDE』だと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[牛嶋淳太郎]

 

◆飯沼 蓮(いいぬま・れん)営4、日川高、169センチ・72キロ。

 朝練習の1時間前に起床。豆をひいてコーヒーを作り、練習のプレビューを見ながら飲むのが朝のルーティンだそう。