
(87)~playback~ 大石康太(後半)「僕なりのエイト像を体現したい」
――大石選手がチームのためにやってきたことを教えてください。
「掃除とか細かいところをやってきました。スリッパをそろえるであったり、トイレットペーパーを替えるであったり、誰でもできますが、誰もあまりしないことってありますよね。あとは玄関に忘れ物を置き放しにすることもよくあって、それって自分の家だったらずっと置き放しにしないですよね。普通に考えてありえないことがチーム内ではあったのでそれをやっていただけです」
――ルビコンでありながら副将に選出されました。
「キャプテンを決める際に、キャプテンに何を求めるのか、どんなチームにしたいのかを話し合いました。(自分が主将候補に挙がったことに関して)まずは自分でいいのかなと思いました。候補として挙げてくれるのは光栄なことですし、うれしかったですが、現実的にゲームに出ていない状況だと説得力に欠けてしまうところがあるのではないかと不安でした。しかし、自分が今までチームにやってきたことであったり、自分がチームメートにやってきたことが評価され、自分がチームに求められているのであればやりたいという気持ちはあったので、蓮(飯沼主将・営4=日川)を主将に、自分を副将にという形でまとまりました。副将として、蓮と自分が同じことに対して同じ目線で見ることはもちろん大切です。しかし、同じ視点で見ることで視野が狭まることもあります。あえて逆の立場に立って、みんなが違う意見を出せるような場づくりを心掛けています」
――4年次の春、ついに紫紺を着ることが叶いました。
「うれしかったです。ただ、明治で試合するにあたっては紫紺が全てではないです。BチームもいればCチームもいるので、やるからには勝ちにいかなければいけないし、諦めてはいけないマインドはいつも通り持ってプレーできたと思います」
――明治の〝8番〟は特別な数字でもあります。
「ナンバーエイトは花形と言われていますし、やはりどうしても先輩方を見ても意識するところはあります。ボールキャリーで10メートル、20メートル走れるパワーは自分にはないです。坂(和樹・令2政経卒・現NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安)さん、(箸本)龍雅(令3商卒・サントリーサンゴリアス)さんが一回で走れる距離を自分は何フェーズも重ねて走るぞと思っています。1メートルでも2メートルでも前に出ることがエイトの役目です。明治のファンの方々が思っているエイト像ではないかもしれませんが、僕は僕なりのエイト像を描いてそれを体現したいので、今はそこに自信を持ってやっていきたいと思っています」
――今の明治に足りないことは何だと思われますか。
「一試合が重くなっていきます。そこで、負けて反省したくないという気持ちはあります。日体大戦も慢心が見られたので、練習からもっと緊張感を持ってやりたいと思います。100%の準備をすることが大切だと思っていて、チーム全員が100%の準備をしてきたら練習全体が100%の力になりますし、その結果としていい試合内容になると思います。うまい選手はいるので、いい準備をできればいい結果が出るだろうと思います」
――ルビコンの選手に伝えたいことはありますか。
「下級生の子たちにとってはここからつらい時期が続くと思います。チームのために何をするかということは自分のことで精いっぱいな下級生の時になかなか考えづらいと思います。自分が試合に出るためにチームに何を残すかを考えて、下級生はやっていってほしいです。上のチームで出られなくても、精いっぱい頑張り通したという経験は何物にも代え難い価値として残り続けると思うので、大事にしていってほしいと思います」
――改めて大石選手にとって『MEIJI PRIDE』はどういった意味がありますか 。
「自分の心に負けないということです。勝ち負けに対してのプライドはもちろんですが、人が面倒くさいと思うことを徹底的にやるであったり、当たり前のことを当たり前にやることが大切だと思っています」
――最後に意気込みをお願いします。
「負けられない試合が続きます。やるべきことをしっかりとやって準備をすればおのずと結果は付いてくるのではないかと思います。明早戦も普通の試合とやることは変わりないです。明治らしい試合をして、勝つことで日本一に近づきたいと思います」
――ありがとうございます。
[内山嶺]
◆大石 康太(おおいし・こうた)営4、国学院久我山高、179センチ・96キロ
好きな食べ物は母親が作った炊き込みご飯。オフ最終日には必ず食べてから帰寮するほどだそう。お酒は弱く、すぐに顔が赤くなるそう。代で一番お酒が強いのは「尾関(右樹・文4=法政二)です(笑)」
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