(20)イベント後コメント/第2回ノーバリアゲームズ

 11月21日、誰もが楽しめる運動会を目指したWOWOW WHO I AM PROJECT主催のユニバーサルスポーツイベント「第2回 ノーバリアゲームズ ~#みんなちがってみんないい~」が開催された。今回はイベント後の出演者インタビューをお送りします。

 

――共生社会を築いていくために、大学生はどのように行動していくべきでしょうか。

松岡修造氏

 「大学生は僕から見ると若いですよね。これから日本が変わっていってほしいって思っていて、もっと見たり感じたりしてほしい。個性、人の違いを感じれば、自分自身の個性というものも見えてくるような気がします。そういう気付きというのを、大学生からもっと増やしていければ、変わっていくのかなと思います」

(打ち合わせをする松岡氏 ※写真真ん中)

 

木村潤平選手(パラトライアスロン日本代表)

 「パラリンピックも一つのツールとしてすごく大事なものだとは思います。ですが障害がありながらスポーツをできている人は、実は日本ではまだまだ少ない状況です。ですからパラリンピックはもちろん大事なのですが、それ以前にもっと誰もが楽しめるようなイベントの機会、また継続的に楽しめるような機会がもっと増えていかないと、そもそもパラリンピック自体が無くなってしまうかもしれません。そういう意味では土台となるような、まずスポーツを楽しむということを誰もが当たり前のようにできるようにする。ですが、足が不自由な人とかだとその競技用の義足が結構高いですよね。でもそれを買わないとそもそも走ることすらできない。そこの時点でハードルが高くなってしまう。そうしたことを一つずつどういう風に社会として変えていくのか。それこそ大学生だからできることはあると思うので、もっと声を上げてほしい。一緒になって活動してもらえれば、それが一番の力になるのかなと思います」

(風船ツリーを作る木村選手 ※写真中央右)

 

一ノ瀬メイ選手(パラリンピアン[水泳])

 「私からはパラリンピックの報道の仕方について話します。今までは選手一人一人にフォーカスして、この選手がどういうストーリーがあって、強みがあって、すごいのかという話が結構多かったと思います。ですが選手一人一人にファンがついても、その選手が引退する時は絶対に来ます。これからはもっと一人一人のすごさに加えて、パラスポーツのスポーツとしての面白さというものが、どんどん人に伝わっていってほしいです。選手一人一人にファンがつくだけではなくて、パラスポーツ自体にファンがつく。それを継続すると、そのスポーツに対して応援のカタチができてくると思います。ぜひパラスポーツの、スポーツとしての面白さも伝えていっていただけると、パラスポーツにファンがつくきっかけになるのかなと思います」

(ゲームの感想を語る一ノ瀬選手)

 

豊島英選手(車いすバスケットボール元日本代表)

 「僕は車いすバスケットボールをやっていましたが、車いすバスケットボールをまずは一つのスポーツとして、「ジャンル」にしたい、認識していただきたいなと思っております。今は国内のルールでも健常者の方が参加できるようになったり、女性が一緒に男性のチームに参加できるようになったりと、少しずつ環境が整いつつあります。共生社会についていろいろ考えたりすることは大切だと思います。しかし、それをずっと考えるのではなくて、社会が変わっていって当たり前になるように。早い段階でルールや決め事を作りつつ、共生社会が当たり前になってほしいです。浸透して、自然にできるようになったり、認められるようになったりしてほしいです。街で見かけても、「普通だ」と感じられることが、一番いい共生社会だと思っています。健常者の方と障害者の方。何も変わりなく区別なく生活できる社会が望んでいる社会です」

(バスケシュートを狙う豊島選手)

 

鳥海連志選手(車いすバスケットボール日本代表)

 「パラスポーツは一スポーツとして面白いですよね。僕自身もまだやったことないスポーツがあり、やってみたいなと思えるスポーツがたくさんあります。そして、まず知ることからスタートするのだろうなと考えています。こういうイベント等を含めていろいろな方法があると思うので、さまざまな場面で知ってもらうことから始まるのかなと思います」

(バスケゴールを見つめる鳥海選手)

 

[渡辺悠志郎]