
(19)松岡修造氏がMCに WOWOWがユニバーサルイベントを開催!/第2回ノーバリアゲームズ
WOWOW WHO I AM PROJECT主催のユニバーサルスポーツイベント「第2回 ノーバリアゲームズ ~#みんなちがってみんないい~」が開催された。寒空の下、不安定な天気となったイベント当日。しかし、MCの松岡修造氏やゲストのアスリートたち、参加者の熱気で会場は活気づいていた。2020東京パラリンピックの閉幕から2か月以上が過ぎた現在、共生社会への取り組みはどうなっているのか。パラスポーツの〝今〟を取材した。
◆11・21 第2回ノーバリアゲームズ(TOKYO SPORT PLAYGROUND)
ゲーム①「みんなで作ろう!~風船ツリー~」
ゲーム②「みんなで競おう!~バスケットボールタイムバトル~」
ゲーム③「みんなで繋ごう!~障害物大玉リレー~」
ゲーム④「みんなで入れよう!~かごが動く玉入れ~」
ゲーム⑤「みんなでつなごう~ボディーパーカッションリレー~」
ゲーム⑥「みんなで走ろう!~280mリレー~」
〝ノーバリアゲームズ〟とは
「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHOIAM」発の新しいカタチのユニバーサルイベントとして2019年に初開催される。テーマは「#みんなちがってみんないい」。多様な出場者がチームに分かれ、複数の競技で競う運動会のようなイベントだ。多彩かつユニバーサルな競技を通して、誰もが個性を存分に発揮しながら楽しめることを目指している。
WHO I AM番組関連情報
「IPC&WOWOWパラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHOIAM」
シーズン1~5 WOWOWオンデマンドにて配信中
(ガッツポーズをする松岡氏と参加者たち)
学生スポーツ新聞として、これまでパラスポーツを取り上げてきた明スポ。その過程でさまざまな活動を知り、それを支えるたくさんの人々との交流を重ねてきた。今回もそうしたつながりがきっかけで、私たちはWOWOW主催のユニバーサルイベントへ足を運んだ。はた目からは困難に思われたゲーム内容も、参加者たちはスムーズに取り組んでいく。途中のゲームでは、大人に持ち上げられてバスケシュートする車いすの子を「ルール違反だ」と指摘した子どもも。果たしてどんなやり方がふさわしいのか。〝みんなちがってみんないい〟社会の実現には、課題も多いと感じる。それでも私たちは、バリアが取り払われた瞬間を目撃した。最後の一人がゴールするまで、多様な参加者が集う会場中から応援の声が上がったゲーム⑥・全員リレー。その光景は、まさに〝ノーバリアゲームズ〟の目指す姿そのものだった。
(他の参加者たちに支えられてバスケシュートする車いすの子ども)
多くの支えがあり実現した今イベント。参加した子どもたちと保護者の協力はもちろん、MCやゲスト、企業の協力がそこにはあった。さらに、運営においてはスタッフの大学生が活躍。上智大学 ソフィア オリンピック・パラリンピック学生プロジェクト Go Beyondのサポートは大きな力となっていた。そして何より、今イベントを主催したWOWOWという力強い存在を忘れてはならない。「表現や価値観の自由が育まれる社会が無ければ、文化は成長しません」(WOWOW代表取締役 社長執行役員 田中晃氏)。多様性が無ければ、文化やエンターテイメントは成長することができない。WOWOWが共生社会を志す姿勢の裏には、こうした理念があった。しかし演劇や音楽では好みやジャンルが分かれ、人々が〝共生社会〟という同じ方向を向きづらくなってしまう。そんな中で「パラスポーツは分かりやすい」(田中氏)。スポーツがもたらす感動とメッセージ。パラスポーツは、人々を一つにする可能性を秘めている。
(話をする田中氏に近づいていく車いすの子どもたち)
私たちは大学生として、学生スポーツ新聞として何ができるのだろうか。未来を変えることはできるのか。「君はどう思っているのか」(松岡氏)。取材した松岡氏から逆質問をされたとき、私も〝当事者〟なのだと改めて感じた。考え、そして行動することこそが何よりも大切だ。東京パラだけでは終わらせない。私たちは、これからもパラスポーツを追い続けていく。
(車いすの走者を応援する松岡氏)
[渡辺悠志郎]
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