(70)~playback~ 山本耕生「一番前線で体を張らなければいけない」
「強い明治を取り戻す」。新体制発足時、飯沼蓮主将(営4=日川)はスローガンに込める意味について言及した。3連覇の懸かる関東大学対抗戦、そして日本一奪還に燃える全国大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生に明大での4年間についてとラストシーズンへの意気込みを伺いました。
第17回は山本耕生(商4=桐蔭学園)のインタビューをお送りします。(この取材は10月21日に行われたものです)
――4年間を振り返っていかがですか。
「高校とは違って、長く感じました。また、高校時代は精神的にも幼かったですし、本当に学生の延長線上でラグビーをできていて、つらい練習も苦ではなかったです。大学生になると自分の価値観を持った人が多いと思うので、その中でラグビーをやるとなると少し大人の世界な感じがして、また違う生活になりました。自分はそれに慣れるのに時間がかかりました」
――明大入学当時を振り返りいかがですか。
「入学当時はFWで一人だけ上のチームでプレーをやらせてもらっていて、それはいい経験になったと思います。それでも、もっとその経験を生かせられたのではないかと一つ後悔もあります」
――どのようにうまく生かせたと思いますか。
「当時は上のチームでプレーすることは怖かったですし、自分のレベルが足りていないと思っていました。そこで怖がらずにどんどんチャレンジをし、もっといろいろなことを吸収できたのではないかと思います」
――改めて明大ラグビー部に入部した理由を教えてください。
「高校時代の練習に僕の高校のOBで明大のOBでもある方が遊びに来ていて、その際に声を掛けてもらいました。そして、明大に練習に参加し、そのまま決まりました」
――思い出に残っている試合はありますか。
「大学1年次のジュニア選手権の東海大戦です。正直ボール、キャリーなどは高校とあまり違いはなくできました。しかし、スクラムはレベルが違いました。とても苦労し、自分のせいで試合を終始悪い流れへ持っていってしまいました。最後ワンプレーの時に相手3番の選手が代わり、(スクラムで)自分が押し切り、ペナルティーを取りました。その時確か少し負けていたのですが、当時の4年生の松尾将太郎さん(平31商卒・現NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安)がペナルティーゴールを決めて勝ちました。とても印象に残った試合でした」
――目標としていた先輩はいらっしゃいますか。
「プレー面ではいないです。他人を目標にするというよりは、自分のプレーを突き詰めていく方がいいと思っているからです。それでも、選手としてのあるべき姿やメンタリティーの部分は昨年度のキャプテンの(箸本)龍雅さん(令3商卒・現サントリーサンゴリアス東京)や山沢京平さん(令3政経卒・現埼玉パナソニックワイルドナイツ)などです。また、一番影響されているのは高校からの先輩ですが、一昨年卒業された石井洋介さん(令2情コミ卒・現栗田工業ウォーターガッシュ)です。今もこれからもお世話になる方だと思っています。チームに対して何ができるかということを教えてもらった先輩です」
――現在のチーム内での役割はありますか。
「4年生のFWの一人として一番前線で体を張らなければいけないポジションだと思っていますし、チームのために常日頃何ができるかを考えています。自分たちのチームはまだまとまっているとは言えない状態だと思うので、言葉ではなく試合中のプレーなどで引っ張っていき、今のキャプテンを支えていければと思います」
――改めて山本選手にとって『MEIJI PRIDE』はどういった意味がありますか。
「ずっと考えているのですが、言葉にしづらいです。一番思うのは、試合中にとても劣勢であったり、ものすごくきつい状況のときに立ち返れるものだと思っています。自分たちがどうしてラグビーをやっているのかというところにもつながってきます。自分たちが立ち返りプレーをする原点だと思います」
――ありがとうございました。
[堀之内萌乃]
◆山本耕生(やまもと・こうせい)商4、桐蔭学園高、173センチ・102キロ
髪の毛が長かった理由は「大学生活の最後、社会人になる前に好きな髪型をしようと思いました」。それでも、試合中ボールが見にくいことから髪を切ったそう
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