
(19)全日本ジュニア選手権直前インタビュー 大島光翔
(この取材は11月16日に行われたものです)
大島光翔(政経1=立教新座)
――東京選手権と東日本選手権の演技を改めて振り返ってみてどのように評価されますか。
「昨シーズンに比べて、東京ブロックも東日本も点数が大幅に上がっていて、今のところはいい感じに進めているので、全日本ジュニアもこのままいければなと思います」
――東日本後、どのような練習をされましたか。
「東日本は緊張していたので、終わった後はリラックスして練習していました。ですが、西日本選手権を見てスイッチが入って、そこからジャンプの確率を上げて失敗しない演技につながる練習をしました。曲かけの練習を重点的にやっていました」
――体力面の強化は曲かけ練習を通じてつくり上げるのですか。
「そうですね。動きの慣れもありますし、ジャンプをいかに失敗せず、失敗したとしても立て直せるように、あらゆる状況に対応できるように、曲かけ練習をたくさんしています」
――先生からはどのようなアドバイスをもらっているのですか。
「自分的にも今シーズンは練習を頑張っていて、やることはやっていると思うので『あとはもう一生懸命に自信持ってやればいいだけだよ』といったことですね」
――4回転は練習の段階でどのような仕上がりですか。
「練習でも回転が良くなってきて、あとは本番で降りるだけといった状態なので、本番でいちかばちか、本番でどんなことができるのか自分でも分からないです。今の自分はそれを良い方向に持っていくことしかできませんが頑張ります」
――4回転以外のジャンプは安定していますか。
「そうですね。4回転は集中力と体力のどちらも負担のかかるジャンプで、それを失敗しても、その後はノーミスできるような動きができるようになってきたので、そこは練習の成果がでているなと思います」
――SP(ショートプログラム)とFS(フリースケーティング)それぞれで良くなったところを挙げていただけますか。
「SPは、最初は速いテンポの動きに苦戦していた部分もありましたが、曲かけ練習をこなしていくことで、体も順応していくようになって、うまい具合に力が抜けて踊れるようになってきたと思います。FSは、最初ぼろぼろだったのが、高確率でジャンプが入るようになって、プログラムとしても完成に近づいてきているのでそこは良くなっていると思います」
――FSには投げキッスから一連の振り付けがありますが、ご自身で発案されたのですか。
「いや、先生に『やります』と言われて(笑)」
――本番まで数日となりましたが、仕上げていきたいところはどこですか。
「仕上げの段階に差し掛かっているので、ジャンプを降りた後の姿勢やスピンの姿勢を良くすることなど、細かいところを意識できるかどうかが勝負だと思っているので、見ていて直接的には分からないけど、全体的に見たときに『ここを気を付けているな』というのが分かるような、そういったところを意識して練習します」
――ジュニアとして最後の全日本ジュニアが近づいてきましたが、どのような心境ですか。
「自分的にはかなりたくさん練習していて、ここまでやることはやってきました。今のところ点数も伸びてきていますし、本当に自信を持って思い切り演技するだけだと思っているので、最後だからといって縮こまらず、全日本ジュニアという大舞台で自分の実力を発揮して、そしたら点数もついてきてくれると思います。緊張というよりはわくわくの方が強いです」
――過去のシーズンと今シーズンのご自身を比べてみて違いはありますか。
「今まで自分に自信を持って演技することがなかなかできなかったのですが、去年から成績が伴ってくるようになって自信もついてきていますし、メンタル面が一番成長したと感じています。自分に自信が持てるようになったので、思い切りいろいろなことに挑戦して、前は自分を良く見せようとしか思っていなかったのを、何でも自分が一番うまいといったくらいの気持ちでいろいろなことができるようになったので、それによってプログラムの表現にも恥ずかしさがなくなって、とにかく思い切りできるようになりました」
――全日本ジュニアに出場される選手の中で注目している選手はいますか。
「壷井達也(神戸大)ですね。西日本選手権で優勝していて、同い年でノービスの時から切磋琢磨(せっさたくま)していて、彼は昔からとても上手で、自分が成績を出せていなかった時も全日本ジュニアで一度優勝していて、世界ジュニアにも出ている選手なので、そんな彼とまた勝負できる実力を持って、全日本ジュニアという大きな舞台で戦えるのは楽しみですし、感慨深いものがあります。少しでも彼に近づければいいなと思います」
――息抜きはしていますか。
「僕は普段から練習漬けみたいなタイプではなくて、オンとオフは自分の中でも区切りをつけようと思っているので、氷にいるときは集中して、帰ったらゲームしてみたいな感じです」
――最近はまっていることはありますか。
「サウナに行って、あとはゲームをしています。それが自分的にも落ち着くといった感じです。人と接していることが好きなので、友達と通話しながらゲームしたり、友達とサウナに行ったりするのが一番の息抜きになっています」
――全日本ジュニアは有観客での開催ですが、いかがですか。
「自分はお客さんがいてくださる中で踊るのが好きなので、その点に関してはわくわくしかないですし、お客さんが会場で実際にどのような反応をしてくださるのかも気になっているところなので、とても楽しみです」
――公式練習は朝早くにありますが、朝は苦手ですか。
「苦手ですね。でも、得意な人はいないと思うのでそこはフェアかなと思います(笑)」
――改めてSP、FSそれぞれの見どころを教えていただけますか。
「SPは一番盛り上がるステップ、速いテンポの曲なのでステップもなかなか暴れると思うので見ていて楽しいのではないかと思います。FSは、高難度のジャンプがそろっているので、表現の緩急も楽しんでいただきながらダイナミックなジャンプも見ていただけたらなと思います」
――意気込みをお願いします。
「全日本ジュニアだからといってこれといった意気込みはないのですが、いつも通り今自分が持っている実力を発揮して、1人でも多くのお客さんに楽しんで帰ってもらえればいいなという気持ちで思い切り演技したいです」
――フィギュアスケートのファンの皆さまに向けてメッセージをお願いします。
「自粛もあってファンの方々も会場で見ることがなかなかできず、お客さんも久々の観戦になると思いますし、久々に見に行って『見に来てよかったな』と思ってもらえるような演技を選手は目指すので、お客さんも手拍子などで楽しんでもらえたらなと思います」
――ご自身のファンに向けてメッセージをお願いします。
「僕のファンがいるのか分からないのですが、皆さんの目の前で演技をするのは初めてなので、気を張る必要はないと思いますが、緊張せずに楽しんで見てもらえれば僕は十分なので、よろしくお願いします」
――ありがとうございました。
[守屋沙弥香]
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