
(64)~playback~ 村上慎「スタメンを取って優勝したい」
「強い明治を取り戻す」。新体制発足時、飯沼蓮主将(営4=日川)はスローガンに込める意味について言及した。3連覇の懸かる関東大学対抗戦、そして日本一奪還に燃える全国大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生に明大での4年間についてとラストシーズンへの意気込みを伺いました。
第15回は村上慎(商4=法政二)のインタビューをお送りします。(この取材は10月22日に行われたものです)
ーー明大に入ったきっかけを教えてください。
「自分の義理の兄が明治大学ラグビー部のOBで、明治の試合を見るようになって、FWが強くて伝統ある重戦車という部分にひかれて明治を選びました」
ーー1、2年次を振り返っていかがですか。
「自分はスクラムが課題で、高校まではルールも違ってスクラムにあまり力を入れてこなかったのですが、FWのセットプレーにこだわる場所に来て、大学ラグビーにおけるスクラムの大切さを学んだ1、2年でした。新しいラグビーを学んで成長できたという反面、現実を見てつらかったというのもありました。1年生の頃から、吉岡大貴(平31農卒・現三重ホンダヒート)さんを目標にしていました。スクラムの基礎を教えていただきました。吉岡さん自身、自分と同じでロックから転向した方だったので、目標にしていました」
ーー田中澄憲前監督との印象に残っているエピソードを教えてください。
「自分は元々、2年の後半からメンバーに絡めるようになったのですが、波のあるプレーをしてしまっていました。その理由は他のポジションのメンバーを見過ぎてしまっているということでした。常にベクトルが相手に向いていました。どうしようもないことをずっと考えてしまって、自分のプレーが疎かになることも多々ありました。田中監督に『慎は人を見過ぎているからもっと自分にベクトルを合わせて考えてみよう』と言われて以来、シンプルに自分の悪いところを直すことに集中できました。ベクトルを自分に向け直してくれたのが田中監督でした」
ーー3、4年次を振り返っていかがですか。
「3、4年になってからは経験も積むので、チームの上層部として話し合うことも多くなりました。1、2年次はただがむしゃらに練習すれば良かったところがあったのですが、上級生になると、周りをどう鼓舞するかであったり、組織から見て自分の役割は何だと考えることが多くなりました。後輩に対しては、自分のこだわってきたスクラムにアドバイスをすることもありますし、逆に学びを得ることもあります。自分から話しに行って、練習ごとに意味を見出してフィードバックすることは意識しています」
ーーメンバーに定着してから変わったことはありますか。
「メンバーに定着したのもそうですが、最終学年でもあるのでとてもプレッシャーを感じます。今まではプレッシャーの無い中でプレーできていたと思いますが、チームを背負うという点でのプレッシャーを感じるようになりました」
ーーキーポイントとなった試合はありますか。
「昨年度の対抗戦の帝京大戦です。それまでメンバーに一回しか絡んでない状況でした。たまたま、先発で出ていた大賀(宗志・営3=報徳学園)がケガをして、自分がスタート(メンバー)になったという意味でキーポイントです。田中監督からは『プライドを背負って戦えるのはお前だ』と声を掛けてもらったことで、不安であったセットプレーの部分で帝京大相手に圧倒できました」
ーーライバルを教えてください。
「大賀ですね。スクラムもフィールドプレーもとても上手な選手です。昨年度の天理大戦でも先発で大賀が出ました。自分としてはスタメンを取って、優勝したいという思いがあるのと、もしそれで大賀がスタメンでも、自分のできることを全うしてチームの日本一に貢献できたらと思います」
ーー後輩に残していきたいことを教えてください。
「ユニット終わりにフィードバックし合う文化です。明治の根幹でもある重戦車を支えるにあたって一番大切なことだと思います」
ーー改めて村上選手にとって、〝MEIJI PRIDE〟はどういった意味がありますか。
「明治のラグビーに対する誇りそのものだと思うのですが、自分にとってはスクラムであったり、ラインアウトであったりセットプレーにいかにこだわるかだと感じています」
ーー最終学年として意気込みを教えてください。
「自分たちの代が優勝したことを知っている唯一の代です。もう一度明治が日本一に輝けるように、チーム全体で頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします!」
ーーありがとうございました。
[内山嶺]
◆村上 慎(むらかみ・じん)商4、法政二高、181センチ・112キロ
嫌いな食べ物はトマト。食感も味もダメで「トマト全体が嫌いです(笑)」。しかし「ハンバーガーに入っているトマトなら食べられます(笑)」だそうだ
関連記事
RELATED ENTRIES