
(62)~playback~ 松本純弥「前へという言葉を体現できるようなラグビーをしたい」
「強い明治を取り戻す」。新体制発足時、飯沼蓮主将(営4=日川)はスローガンに込める意味について言及した。3連覇の懸かる関東大学対抗戦、そして日本一奪還に燃える全国大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生に明大での4年間についてとラストシーズンへの意気込みを伺いました。
第13回は松本純弥(政経4=佐賀工)のインタビューをお送りします。(この取材は10月19日に行われたものです)
――明大に入ったきっかけを教えてください。
「小さいころからテレビで早明戦を見たりしていて、紫紺に強い憧れがありました。それとともに自分が高校3年生の時に一番日本一に近いチームでした。そのチームの一員になりたいと思ったのがきっかけです」
――4年間を振り返っていかがですか。
「簡単なものではなかったです。僕の場合は下のチームにずっといました。今はAチームに出られていますが、1年次のケガやセブンスなどいろいろなことを経験して今の場所にいると思っています。先輩の存在はやはり大きかったです。部屋の4年生を見ていろいろ勉強になりましたし、ラグビーもそうですが人間的な成長が大きかったと思います」
――印象に残っている先輩はいらっしゃいましたか。
「自分が2年次にお世話になった安部耕平(令2法卒)さんは何事にも一生懸命でタフな選手でした。朝練の時には絶対1時間前に起きて30分前にグラウンドに着くということを欠かさないのが印象に残っていて、勉強になりました。昨年度の先輩だと小幡将己(令3文卒・NECグリーンロケッツ東葛)さんはとてもストイックでした。部屋にいる時間が少ないくらいストイックで、ウエート場に常にいるという選手でした。基本おちゃらけていましたが、そういった点の切り替えができていました、高校の先輩で大塚健太郎(平30商卒・現クボタスピアーズ)さんは今でも気にかけて連絡をくださります、そういった人たちに囲まれてラグビーができたことが自分にとっていいことだったと思います」
――今だからこそ後輩に伝えたい思いはありますか。
「やはり中途半端にしたら何も生まれないので、一つ一つベストを尽くすことは大事にしないといけません。もちろん練習もですが、リカバリーとかも大切なので常にベストを狙ってほしいと思います」
――4年生としてご自身でのチームの役割をどう考えていますか。
「僕はリーダー陣ではないので、リーダー陣の主将や副将、寮長を陰ながら支えていく役割だと思っています。一つ一つにベストを出すことを僕の中ではとても大切にしていて、練習から自分の持っている力を全て出さないとメンバーに絡めません。そんなに甘い世界ではないのでそこは意識しています」
――今年度は力強いプレーが印象的です。
「やはり4年生だからですかね。責任というか、それこそ前へという言葉を体現できるようなラグビーをしたいなと思っています」
――4年間で最も印象深い試合はありますか。
「印象深い試合は今からつくっていきたいです(笑)。ただ自分の中で印象に残るは昨年度最後の試合だった天理大戦です。昨年度はリザーブで出ていて、チームとしては負けてしまって、個人としては1分もグラウンドに立つことができませんでした。ジャージーは着ているが、外で見ている。とても悔しくて、ずっと来年度こそはと思っていました。チャンスをモノにできなくて、一番僕の中で印象に残る試合でした」
――4年生はどういった代ですか。
「例年に比べて真面目な代だと感じています。落ち着いている、一人一人が役割を分かっていて、声を荒げることもなく、冷静淡々とラグビーも生活もしていると感じます。昨年度は僕らの代と正反対で、荒れている感じではなかったですが、わいわいうるさいイメージです(笑)。僕らとは違った雰囲気で仲が良かったです。ごはんに行ったり、よく話すのは雲山(弘貴・政経4=報徳学園)です。ポジションが近くて話すこともいろいろあるので仲良くしています」
――試合前のルーティンはありますか。
「ルーティンはないです(笑)。1年生までずっと7人制のラグビーをしていて、15人制とは違って、いきなり時間が変わることやアップ会場も変更されることもあります。変更事項が多く、ルーティンを持っていると遅れてしまうので、その経験から持たないようにしています。いつでも準備できるような状態にしています」
――改めて松本選手にとって、〝MEIJI PRIDE〟はどういった意味がありますか。
「僕にとっては、勝つということです。いろいろな私生活等もありますが、僕にとっては強い明治を取り戻す。勝つことが僕にとっての〝MEIJI PRIDE〟です」
――最後に今後の意気込みをお願いします。
「これから筑波、慶應、帝京と強い相手が続いていくと思うので、難しい試合が続きます。やはり自分自身の役割をしっかり分かったうえで、ベストなプレーを出せれば確実にチームに貢献できると思うので学生生活の最後を優勝で終えたいと思います」
――ありがとうございました。
[田中佑太]
◆松本 純弥(まつもと・じゅんや)政経4、佐賀工高、171センチ・79キロ
寮の部屋っこ(同部屋の後輩)は全員が九州出身。「たまたまですが、みんな九州で話が合いますね(笑)」。部屋ではみんなで映画を見たりして楽しんでいる
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