
(59)~playback~ 田森海音「もう一度優勝したい」
「強い明治を取り戻す」。新体制発足時、飯沼蓮主将(営4=日川)はスローガンの込める意味について言及した。3連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。
第10回は田森海音(政経4=長崎北陽台)のインタビューをお送りします。(この取材は10月19日に行われたものです)
――明大に入った理由を教えてください。
「小学生の頃から明早戦を見てかっこいいと思っていました。明大の重戦車や紫紺に憧れてきたということと、僕たちが入る少し前から強くなってきていて日本一を目指せるチームだと思ったので入部しました」
――4年間を振り返っていかがですか。
「1年生の頃は全然試合に出る機会もなかったですし、とてもレベルの高い環境で常にいい選手がたくさんいるので、ラグビーの面やそのほかの面でも成長できたということが一番大きいです。日本一が最大の目標ですが、紫紺を着て明早戦に出るということが目標としてあったのでそれを経験できたのは幸せだったと感じています」
――明大に入って良かった点を教えてください。
「ファンも大学ラグビーの中で一番多く、とても愛されているチームでいろんな方に応援してもらいながらラグビーができるということはとてもいい経験でした。これからこんな経験はできないだろうと思います」
――初めて紫紺を着た日の心境はいかがでしたか。
「昨年度の(関東大学)対抗戦・第3試合目の筑波大戦で2番を初めて着させていただきました。相手も強いので緊張感を感じたことを覚えていますが率直にうれしかったです。明大の代表でもあり、とても伝統のあるものなのでそれを着たからには責任を持ってプレーをしなければいけないと感じました」
――寮生活で思い出に残っていることを教えてください。
「昨年度からコロナ禍で思ったような生活ができず、ずっと寮の中で生活することで、みんなでいる時間が増えました。しんどかったですけど、それも僕たちしか経験できなかったことだと思っていて思い出です」
――4年生はどのような学年ですか。
「今年はリーダー制をつくらずにやっており、みんな主体性があるというか考えられる学年だと思います。あまり人任せにする人がいないので、みんなが当事者意識を持って頑張っています。上にいる選手はもちろんですが、下にいる選手も試合に出られるか出られないか分からない中で自分たちが何をやるべきかを理解して頑張っているところは僕たちの代の特徴だと思います」
――同期の中で尊敬している人はいますか。
「大石(康太・営4=国学院久我山)くんです。彼も昨年度まで下のチームにいてなかなか出場する機会がなかったですが、その中で常に一貫性を持ってプレーもそうですし私生活もしている姿があったので、今年副キャプテンになっています。一人のラグビー選手としても人間としても尊敬する部分が多いです」
――今だからこそ後輩に伝えたいことはありますか。
「僕らはあと2ヶ月半しか明大でラグビーをできないです。やはり明大でラグビーができるのは本当に特別なことなので、試合に出ている選手は常に高みを目指して、出られていない選手はどんな状況にいようとも紫紺を目指し続けることは大事だということを伝えたいです」
――田森選手にとってスローガン〝MEIJI PRIDE〟とはどのようなものですか。
「全体としては今年度成績が下がっており、もう一度優勝したいという思いがあります。個人としての〝MEIJI PRIDE〟はポジションもありますが、スクラムなどのFWの部分でのこだわりや強さだと思っているので、そこにこだわり残りのシーズン頑張っていきたいと思っています」
――今後の意気込みをお願いします。
「対抗戦も終盤に入ってきて相手もどんどん強くなっていくので1試合も落とせないです。春からやってきたクイックテンポなど、こだわってきた部分を出し切れるように毎試合いい準備をして日本一に向けて頑張っていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[豊澤風香]
◆田森 海音(たもり・かいと)政経4、長崎北陽台高、180センチ・100キロ
趣味はフィルムカメラ。オフの日にみんなで公園に行ったときなどに写真を撮っている
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