(58)~playback~ 田中隼斗「入ったからには最後までやり遂げたい」

2021.11.11

 「強い明治を取り戻す」。新体制発足時、飯沼蓮主将(営4=日川)はスローガンに込める意味について言及した。3連覇の懸かる関東大学対抗戦、そして日本一奪還に燃える全国大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生に明大での4年間についてとラストシーズンへの意気込みを伺いました。

 

第9回は田中隼斗(法4=大分舞鶴)のインタビューをお送りします。(この取材は10月22日に行われたものです)

 

ーー明大に入ったきっかけを教えてください。

 「昔から強いチームということで知っていました。僕の場合は高校時代の先輩から薦められてというのが一番大きかったです。その先輩は矢野湧大さん(令2文卒)です」

 

ーー矢野さんを目標としている人物にも挙げています。

 「矢野さんが高校の時に日本代表に選出されて、大分舞鶴から選ばれたというのは何年ぶりという形だったので、すごいなと思っていました。憧れる存在でした。そういった先輩から明治大学に進んでみないかという話もあって、明治大学でラグビーしようと思いました」

 

ーー1、2年次を振り返っていかがですか。

 「日本代表、日本代表候補含めうまい選手が集まっていて、体格であったり、スキルであったりレベルはもちろん高かったです。まずはそこにギャップを感じました。最初は本当について行くのが大変でした。ポジション変更もしたので、がむしゃらにずっと頑張ってきました」

 

ーー大学生活を振り返って成長できたことはありますか。

 「プレーもそうですが、一番はメンタル的な部分だと思います。高校の時であったら、強い相手と試合する際に強い相手だから負けてもしょうがないかみたいなマインドになっていたのですが、大学に入ってからは勝ちにこだわるところを常に意識していたので、メンタル的なところで成長はあったのかなと思います。ラグビーだけでなく、何事も負けてはいけない、負けたくないという思いでやってきた気がします」

 

ーー現時点で意識していることはありますか。

 「最後までやり切りたいと思っています。しっかり自分で入ると決めたからにはやり切りたいという思いが強いです。途中で挫折してしまう人を今まで見てきました。それでも入ったからには自分は最後までやり遂げたいという思いが強いです」

 

ーー印象的だった試合を教えてください。

 「今年の夏の合宿中の試合での天理大と立正大のC戦です。個人的には自分でチームを引っ張ってプレーできましたし、Cというカテゴリーでは全勝できました。そのこともあって今、上のチームでやれているということもあります。そういった意味でも夏の合宿中の試合は(上のチームで出場する)きっかけとなった試合だと思います」

 

ーーライバルはいますか。

 「同期の村上(慎・商4=法政二)は同じポジションなので、意識するところというのはあります。できないところとか分からないところとかはお互い聞いて、助け合う関係で、とてもいい関係だと思います」

 

ーー後輩に残していきたいことはありますか。

 「上のチームで出られないからといって、腐ってほしくないです。特に今の3年生とかに言いたいですが、やはり自分の進んだ道に責任持って最後まで諦めてほしくないと思います。自分の残せるものとしたら、一つ一つの練習にしっかりと向き合って、諦めずにやるということだと思います」

 

ーー田中選手にとって〝MEIJI PRIDE〟にはどんな意味があると思われますか。

 「このスローガンを代で決めた時に細かなことは決めなかったんですよね。プライドというのは人それぞれ違うものだと思いますし。そういった意味で自分にとってのプライドはAチームの試合には出場できない中で、今まで積み上げてきた明治大学ラグビー部の歴史というのを壊してはいけないので、明治大学ラグビー部の一員として大事なことを下の代にも伝えていくということだと思います」

 

ーー最終学年として意気込みをお願いします。

 「ジュニア戦がまだ残っているので最後まで諦めずに自分を高めて、しっかり明治ラグビーの文化を継承していけるように、日々の練習、試合から先輩として後輩に見せていきたいと思います」

 

ーーありがとうございました。

 

[内山嶺]

 

 

◆田中 隼斗(たなか・はやと)法4、大分舞鶴高、180センチ・102キロ

ライバルの村上とは仲も良い。お互いラーメン好きでよく行くラーメン屋は「らぁめん 小池」