
(57)~playback~ 竹ノ内駿太「物事を俯瞰して見れるようになった」
「強い明治を取り戻す」。新体制発足時、飯沼蓮主将(営4=日川)はスローガンに込める意味について言及した。3連覇の懸かる関東大学対抗戦、そして日本一奪還に燃える全国大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生に明大での4年間についてとラストシーズンへの意気込みを伺いました。
第8回は竹ノ内駿太(政経4=長崎南山)のインタビューをお送りします。(この取材は10月25日に行われたものです)
――明大に入った理由を教えてください。
「所属していた高校が全国的にはそれほど強い高校ではなく、自分たちの代で4年ぶりに花園に出場をすることができました。その経験から本当に強豪校といわれる場所でどれだけ自分の力が通用するのかを試したくて明治を志望しました」
――部での思い出を教えてください。
「思い出というわけではありませんが良くも悪くもいい経験をしたなと思っています。置かれている状況、環境が社会の縮図を見ているようでこれからの生き方を示してくれているように感じていました」
――寮生活での思い出を教えてください。
「オフになれば基本的にみんないるので誰か誘えば遊んでくれる人がいるというのは良かったなと思います。特に1階住民の皆さまにはお世話になりました(笑)」
――チームメイトはどのような存在ですか。
「全員そうですが特に4年生は同じ試合に出ている際、こいつのためなら体を張れるなと思えるような人たちです」
――4年生はどのような学年ですか。
「良くも悪くも目立つ人がいないチームだと思います。去年は山沢京平(令3政経卒・現埼玉パナソニックワイルドナイツ)さんや箸本龍雅(令3商卒・現東京サントリーサンゴリアス)さんなどスター選手と呼ばれる選手がいたと思いますが、今年はそうではないです。しかし、その分みんながそれぞれいいものを持っていて、それが今の明治をつくっているように思います」
――改めて竹ノ内選手にとって、〝MEIJI PRIDE〟はどういった意味がありますか。
「あまり言葉にしていいのかは分かりませんが、リーグなどのグループに所属している他の大学にはない重みやプレッシャーがあると思います。その中で人としてもプレーにしても一つ一つの行動に対してとてつもない責任があるチームに所属している自覚を持つことが〝MEIJI PRIDE〟だと思います」
――今のチーム状況はどう見ていますか。
「筑波戦で明治変わってきたな、ようやくみんなが同じ夢を見ることができるようになってきたなと思いました。これからですね(笑)」
――4年生になって成長したと思うことはありますか。
「物事を俯瞰して見ることができるようになりました。プレー中もそうですが私生活に対してもそうかなと思います。それによって自分に余裕が生まれました」
――この4年間にはつらいこともありましたか。
「はたから見たらうそつけと思われるかもしれませんが挙げると切りがないほどしんどかったりつらかったりしたことの方が多かったです。しかし、置かれた環境や立ち位置に悩みながらも自分なりにかみ砕いてやるべきことを明確にして全力で頑張ってきたことはいい経験でした。二度とこのような経験はしたくないですが(笑)。1年で2千万円もらえたら考えます(笑)」
――後輩に伝えたいことはありますか。
「ラグビーで入学したからラグビーで頑張ることは重要だと思います。しかし、それ以上に人としてどう成長できるか、人としてどうありたいかを考えることができるのがこの4年間だと思います。どういう大人になりたいかを明確にできるような環境がこの部の4年間にはあるので、それを楽しんでほしいです」
――チームの日本一にどう貢献していきたいですか。
「最後までしっかり紫紺を狙います。結果的に着ることができなくてもそういう態度を見せることで、後輩たちに紫紺のためにこれだけやった人間がいるっていうのを分かってもらうことができればいいと思っています。自分自身が安部耕平(令2法卒)さんの姿を見てどれだけ4年生が頑張るかで下の代がついてくるかということは理解しています。いいコンペティションになれるように自分が最後まで愚直に紫紺を狙って、それが結果的に日本一につながればいいと思います」
――ありがとうございました。
[廣末直希]
◆竹ノ内 駿太(たけのうち・しゅんた)政経4、長崎南山高、170センチ・72キロ
時間がある時はずっとサッカーゲームの「FIFA」をやっている。「大石(康太・商4=国学院久我山)バイスキャプテンの部屋を占領して自分の部屋かのように使っています(笑)」
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