(56)~playback~ 髙比良隼輝「当たり前のことを当たり前にする」

2021.11.09

 「強い明治を取り戻す」。新体制発足時、飯沼蓮主将(営4=日川)はスローガンに込める意味について言及した。3連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生に明大での4年間についてとラストシーズンの意気込みを伺いました。

 

第7回は髙比良隼輝(政経4=長崎北)のインタビューをお送りします。(この取材は10月20日に行われたものです)

 

――明大に進学した理由を教えてください。

 「僕は大学でラグビーをすることは決めていたのですが、どこの大学でやるかは決めていませんでした。高校の監督から明治大学のスプリングスクールを進めていただいて両親とも話し合ったところ自分としてもどうせやるならレベルの高いチームでやりたい、日本一を目指したいと思う気持ちがあったので明治に入学しました」

 

――4年間を振り返っていかがですか。

 「自分は私生活の面では当たり前のことを当たり前にすることを徹底するようにしていました。寮生活で93名の部員がいる中でラグビーのプレー以外にどこで差がつくか考えたときにごみ拾いや部屋の整理整頓など、細かいところがプレーにもつながると思っていました。またそれを意識するきっかけになったのは、ラグビーのプレー中にミスは誰でも起こり得ることだと思っていて、そのミスをした後にあの時のごみを拾っておけばこのミスが起こらなかったのではないかなど、後悔が起こらないためにも徹底するようになりました」

 

――ラグビーの面で成長した点は何かありますか。

 「プレー面では4年間を通してケガに苦しめられ、チャンスを逃して悔しい思いもしてきました。ですが学年関係なく仲間と同じ目標に向かって日々つらい練習に取り組むことを貫くことの大切さを学ぶことができたと思います」

 

――印象に残っている試合を教えてください。

 「昨年度の対抗戦での慶大戦です。私自身初の秩父宮での試合で、結果は負けてしまいましたが秩父宮という大舞台でトライを取り切れたのは個人としては大きな収穫だったので印象に残っています」

 

――尊敬していた先輩はいますか。

 「山村知也(令2営卒・現リコーブラックラムズ東京)さんです。ポジションが同じでプレースタイルも似ていることもありますが、それよりもとてもカリスマ性があっていつでも頼られるし頼れる偉大な先輩だったと思います。自分もその背中を日々見ながらここまで成長できたと思います」

 

――今年度のチームの特徴を教えてください。

 「例年と違って、体が大きくなく前へ前へというイメージではないと思っています。その分、日頃のフィットネスで作り上げたものや個々のスキルを生かした展開ラグビーが今年の明治のスタイルだと思います」

 

――最上級生になって変わったことはありますか。

 「昨年までとは違いチームを引っ張っていかなければならないため、練習中にリーダーシップを取るにはもちろんですが、プレー面に関しても詳しく分析したり、4年生だけでのミーティングも増えよりラグビーのことやチームのことを考える機会が多くなったと思います」

 

――チーム内での役割はありますか。

 「目立って前で話すタイプではなくてリーダーとか他のメンバーをサポートすることや、話合いの場を設けられたときに、話す内容の準備など影でのサポートが自分の役割だと思います」

 

――後輩に伝えたいことはありますか。

 「後悔しないように日頃の当たり前のことを当たり前にすることを大切にしてほしいことです。またとにかくラグビーを楽しんでやってほしいというのが一番の思いです」

 

――〝MEIJI PRIDE〟にはどのような思いが込められていると考えますか。

 「明治というのは勝って当然のチームだと思っていてどのカテゴリーであっても圧倒して勝たなければならないと思っています。そして今年はそれを取り戻そう、それが明治のあるべき姿だということでこのスローガンを掲げたと思っています」

 

――意気込みをお願いします。

 「今年に入ってケガもあってAチームで出場できていなくてあと残り2か月と少ないですが、自分としてもまったく諦めていないのでAチームのスタメンで出られるようにこれからも精進していきたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[牛嶋淳太郎]

 

◆髙比良 隼輝(たかひら・としき)、営4、長崎北高、175センチ・81キロ

 もともとディズニーが好きでコロナの前はよく行っていた。おすすめのディズニー映画は「トイストーリー3」。