
(60)箱根駅伝予選会事後インタビュー⑧/山本佑樹駅伝監督、園原健弘総合監督
スタートの号砲を待つ選手たちを、張り詰めた空気が覆う。そこでは風が強く吹いていた。秋晴れの空の下、第98回東京箱根間往復大学駅伝予選会(以下、予選会)が行われた。41の参加校から箱根駅伝(以下、箱根)に進めるのはたった10校。数秒の差が箱根への運命を分ける過酷な戦いだ。そんな中、明大は見事総合1位通過。順当な結果だと言われる裏には、アクシデントやそれぞれの箱根路にかける想いがあった。1年の幕開けに欠かせない大舞台、そのスタートラインに立った選手たちの声を聞いた。
第8回は山本佑樹駅伝監督、園原健弘総合監督のインタビューです。(この取材は10月23日に電話で行われたものです)
山本駅伝監督
――今日出走した12人を決めた要因は何でしょうか 。
「1週間前ぐらいの練習で新谷(絋ノ介・政経1=世羅)と甲斐(涼介・情コミ1=宮崎日大)が若干ほかのメンバーよりもきつそうだったので、そこら辺の仕上がり具合をみて12人を選んだ感じです」
――鈴木(聖人・政経4=水城)選手の走りはいかがでしたか 。
「途中下がったのでどうしたかなと思ったのですが、後から聞いたら途中お腹に差し込みがきて少しペースを落としたということでした。日本人先頭集団に明大の選手が多くいたということで彼が声掛けしていたので、本人としてはもう少し行けたというのはあったと思うのですが、上位の7人くらいがまとまって行けたのは彼のおかげかなと思います」
――手嶋(杏丞・情コミ4=宮崎日大)選手は調子がよくない中でチーム内5位でしたがどう感じていますか。
「2週間前くらいの練習で余裕がなくて目いっぱいになってしまったのですが、そこから微調整をしてなんとか仕上げました。本当は前半から前に行ってそのまま行き切ってしまおうというのがあったと思うのですが、今日みたいな風が吹くレースだとごまかしが利かなかったかなと思います。ただそこでずるずる行かずに5番で踏みとどまったというのは自力が付いてきている証拠だと思うので、あんまり心配はしてないですが、ここから調子を上げていく準備はしないといけないかなと思います」
――加藤(大誠・営3=鹿児島実)選手がチーム1位ですが彼の走りはいかがでしたか。
「正直、昨年度くすぶっていて、この夏も少しうまくいかなくてBチームに行ったのですが、やはり今日みたいに風が強いレースだと力を発揮するので、本人も少し手応えをつかんでぐっと上がってきてくれたならと思います」
――課題として勝ち切れないところがありましたがそこはどう考えていますか。
「上位集団に多く人数はいましたが日本人トップは取れなかったところとか、留学生に付いて行くことができなかったところとか、そこら辺はまだまだもう一歩行けるところかなと思うので、課題として頑張って行きたいと思います」
――ありがとうございました。
園原総合監督
――予選会を見ていかがでしたか。
「完璧でしたね。予想より良かったというのが僕の感想です。それとともに無事通過してほっとしているというところですかね」
――2位と大差をつけてのトップでした。
「素直にうれしいです。ただ、順位はそんなに関係ないと思っていますから、1位通過で騒がれていましたが、そういう声に紛らわされずに、実力をしっかり発揮できるように今年度はしていきたいですね」
――普段の練習等でのチーム状況はいかがでしたか。
「聖人(鈴木)とか手嶋はチームを引っ張るという自覚を持った走りができていて、前半あまり前に出ずに加藤とかの集団にいれば、1番になれるような結果が出たと思いますが、チームとして先頭に彼らが立ったうえで3年生がしっかり底上げして付いていって、チームバランスは非常にいい感じに仕上がっていると思いますね。メンバー構成を見ても、一昔前は毎年4年生になると人数が減ってしまう傾向があったのですが、今年は一般入部の橋本(大輝・営4=須磨学園)もしっかり走ってくれて、駅伝監督の手腕というか育成力で高校から持っていたタレントをそのまま使い切らしていくのではなく、きちんと力が積み上がっていくチーム状況になったので、非常にまとまりがあるチームになったと思います」
――これからの駅伝に向けてチームに求めていくことは何ですか。
「全日本駅伝は2週間しか間がないので、昨年度は3位で皆さんそのあたりを期待されると思いますが、来年度に向けてシードをしっかり取るというところですね。シードを取って箱根でもしっかり結果を残す、というやり方が取れればいいかなと思います」
――ありがとうございました。
[競走部担当一同]
第98回箱根駅伝まで、あと65日。
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