
(59)箱根駅伝予選会事後インタビュー⑦/鈴木聖人、手嶋杏丞
スタートの号砲を待つ選手たちを、張り詰めた空気が覆う。そこでは風が強く吹いていた。秋晴れの空の下、第98回東京箱根間往復大学駅伝予選会(以下、予選会)が行われた。41の参加校から箱根駅伝(以下、箱根)に進めるのはたった10校。数秒の差が箱根への運命を分ける過酷な戦いだ。そんな中、明大は見事総合1位通過。順当な結果だと言われる裏には、アクシデントやそれぞれの箱根路にかける想いがあった。1年の幕開けに欠かせない大舞台、そのスタートラインに立った選手たちの声を聞いた。
第7回は鈴木聖人(政経4=水城)、手嶋杏丞(情コミ4=宮崎日大)のインタビューです。(この取材は10月23日に電話で行われたものです)
鈴木
――ご自身の走りはいかがでしたか。
「少しおなかを痛めてしまって集団から離れてしまい、レースに立ってからの精神的な弱さが出てしまいました。またゴール場所を間違えて最後気が緩んで大失速してしまいました。走る動きというよりも精神的な弱さと最後の詰めの甘さがもったいないなと思います。自分でも何をやっているのだろうという感じです。それでも、もう1回日本人先頭集団に戻って最後しっかり着順も上の方でゴールできたのは良かったかなと思います」
――スパートのところでゴールを誤るということがあったのですか。
「最後加藤(大誠・営3=鹿児島実)に負けたら駄目だなと思ったし、明大内1位でゴールしないといけないと思ったので、最後絞り出して上げて抜いてゴールかと思ったらそこは周回の人とゴールの人との別れ道みたいなところで。そこでがくっと下がってしまいました。結果3人に抜かれて3秒加藤に離されてしまいました。今年度の箱根で1人2秒速ければと考えると、その3秒は絶対にもったいないですし、その甘さが今後のシード争いや優勝争いにつながる3秒だと思っているので、今後気を付けていきたいです」
――下馬評通りのトップ通過、2位の中大とも4分16秒差で勝ちました。明大の強さをアピールできたのではないでしょうか。
「スタートラインに立つ時も立つ前も不安な選手が多かったです。練習はしっかりできているのですが、その練習が他大と比べた時にいい練習ができているのか分からない部分もありましたし、日本学生ハーフマラソンでみんなつらい思いをしていたので。今回の結果が出て予選会に向けての練習はすごく質の高い練習ができていたのだなと確信できました。これからもみんな自信を持って練習に臨めると思いますし、力は付いていると分かったと思うので全日本駅伝、箱根と佑樹さん(山本駅伝監督)の練習メニューを信じてやればやれると思っています」
――ありがとうございました。
手嶋
――事前の取材では調子が上がらないと話していましたが。
「正直アップの段階でもあまり動きが良くない状態でのスタートでした。結局最後まで日本人先頭集団にはいたのですが、最後勝ち切れなかったというのはレース内容としてもあまり良くなかったです。その悪いなりにはまとめられたのでそこに関しては良かったかなと思います」
――始めの方から留学生に付いたり、日本人先頭集団にいましたがそれは計画通りでしたか。
「今回攻めたという感覚はなかったです。自分の設定的には最初14分40くらいの5キロを通過してそこからは落ち着いたときにキロ3分あたりで走ってターゲットタイムは1時間3分にしたので。その流れだと留学生集団も今日ペースが遅かったので、ちょうどそのペースが合っただけという感じです」
――今回は2年前と異なり周回コースでしたがいかがでしたか。
「今回は風で2年前もやはり風を感じてアップダウンもペースのアップダウンも激しかったので周回は普通は楽なのですが、意外とタフなレースになったという感じです」
――結果が発表されるときにガッツポーズしている選手もテレビで見られたのですが、選手の中でも喜びは大きい感じでしたか。
「それに関しては放送が始まる前に鈴木が『どうする?』と言って『喜んでいいですか?』と佑樹さんに聞いて(笑)。『それは任せるよ(笑)』という感じだったので、全力で喜ぼうということでみんな喜んだという感じです」
――ありがとうございました。
[競走部担当一同]
第98回箱根駅伝まで、あと65日。
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