
(58)箱根駅伝予選会事後インタビュー⑥/橋本大輝、加藤大誠
スタートの号砲を待つ選手たちを、張り詰めた空気が覆う。そこでは風が強く吹いていた。秋晴れの空の下、第98回東京箱根間往復大学駅伝予選会(以下、予選会)が行われた。41の参加校から箱根駅伝(以下、箱根)に進めるのはたった10校。数秒の差が箱根への運命を分ける過酷な戦いだ。そんな中、明大は見事総合1位通過。順当な結果だと言われる裏には、アクシデントやそれぞれの箱根路にかける思いがあった。1年の幕開けに欠かせない大舞台、そのスタートラインに立った選手たちの声を聞いた。
第6回は橋本大輝(営4=須磨学園)、加藤大誠(営3=鹿児島実)のインタビューです。(この取材は10月23日に電話で行われたものです)
橋本
――ご自身の走りはいかがでしょうか。
「63分09秒ということで欲を言えば62分台を出したいと思いました。途中で日本人の第2集団を引っ張って、第1集団に追い付けて、向かい風の中でそういった走りができたことや、全体の25位でゴールできたことはこれまでやってきた練習が間違いではなかったということを確認できて良かったと思いました」
――レースで勝負になったところはどこでしょうか。
「やはり今回は15キロをすぎてからと、残り1周の2・6キロが重要になると思ったので、その中で15キロから20キロで大きくペースを落とさずに走れたので良かったと思います。しかしラスト1キロのところで向かい風になった時にスピードを落としてしまったので、全日本大学駅伝や箱根に向けてそこを改善していければ良いなと思いました」
――大舞台が初めての中で結果を残しましたが、うれしさはありますか。
「そうですね。やはりこういった舞台で先頭の方で走れたのはすごく自信になりましたし、逆にもっと上を目指せたのではないかという悔しさとかもあるのでそういったことをさらに埋めて記録会であったり、駅伝で結果を残したいと思いました」
――上位5人と今の自分の差はどの辺に感じていますか。
「普段はAグループで一緒に練習をしていて4年生なので引っ張ったりはしているのですが、後ろに感じる余裕度は違っていてかなりの差はあるのかなと思います。なので箱根に向けてしっかりその差を縮めていきたいなと思います」
――ありがとうございました。
加藤
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「今日の試合は前半から突っ込みすぎることなく落ち着いたレース運びや冷静な判断ができて、それで本当にチームのみんなに助けられました。橋本さん(大輝・営4=須磨学園)が先陣を切って集団を1位集団まで押し上げてくださったり、いろいろチームでうまく、1位集団に7人いるレースができたというのがうれしかったですし、走っていて楽しかったです。また、個人としても日本人2位で1位まで1秒差ということで、悔しさはあるのですが、2位を取れたということは自分の成長につながったかなと思います」
――具体的に目標タイムはありましたか。
「僕は2分57というのを基準に、1時間2分30秒くらいに持っていくのが目標でした。条件が良ければ1時間2分30秒を切るぐらいでいきたいと思っていました。そこから少し遅れはしたのですが、別に焦ることなく、向かい風も結構あった中ではいい感じにプラン通りに行ったのかなというふうに思っています」
――明大勢が沢山いる中で走るということに安心感などはありましたか。
「はい。先頭集団に明大が7人もいて、すごく走っていてうれしかったというか、楽しかったです。本当にいいチームの中で走らせてもらっているなというふうに思っていて、いつものポイント練習みたいな感覚になれたということは結構大きくて、そんなに気負うこともなく走れたかなと思っています」
――今日のタイムは自己ベスト更新ですが、その結果についてはいかがですか。
「自己ベストは出せると思っていたし、出すと思っていました。そこのところも今日は気候が気候だったので、タイムのことは意識していなくて、順位と先頭からのタイム差だったり12人のタイムの方を重要視していました。自己ベストを更新したことは良かったのですが、もっと条件さえ良ければまだまだいけるかなという感覚はずっとあります」
――ありがとうございました。
[競走部担当一同]
第98回箱根駅伝まで、あと66日。
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