
(18)パラ大学祭に参戦! 悔しい5位に終わる
体育館に響き渡る控え目ながらも確かに熱い声援、車椅子同士が激しくぶつかる音、会場全体を包む大きな拍手。7月3日、第4回パラ大学祭が行われた。述べ6チームが参加し、明大代表として挑んだ明スポ選抜。経験豊かな田中佑太主将(法3=本郷)や下神大生学生監督(営3=済美平成中教校)を中心に10人全員で優勝を目指したものの、健闘むなしく結果は5位。悲願達成は次回以降の大会に持ち越しとなった。
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◆7・3 第4回パラ大学祭@関東(世田谷区立希望丘地域体育館)
明大――5位
前回に引き続き悔しい結果となった。4種目の合計得点で順位が決まる今大会。「負けにきたのではなく勝ちにきた」(堀之内萌乃・文2=実践女子)と狙うは優勝のみ。気合十分で臨んだ。第1種目・目隠しドッチビーでは3位と、優勝へ向け上々の立ち上がりを見せる。しかし、続く第2種目・車いすバスケットボールでは力の差を見せつけられた。日体大の素早いパス回しと固いディフェンスに翻弄(ほんろう)され、敗戦。3位決定戦でも連合チーム相手にあと一歩及ばず、優勝への望みは一気に遠のいた。
(写真:車いすバスケで得点を狙う明スポチーム)
それでも、狙いを入賞に切り替え迎えた最終種目・車いすリレー。2位以上でゴールすれば、優勝決定戦への出場権を獲得できる重要な一戦となった。第1走者・田中主将が力強いこぎでトップに立ち、主将の意地を見せつける。その後のランナーも2位には後退するもバトンをつなぎ続け、雰囲気は最高潮に。チームの命運は下神学生監督に託された。しかし「後ろから迫る相手が速かった」。連合チームに猛攻を掛けられ失速。ゴールまであとわずかというところで抜かされ、惜しくも優勝決定戦への切符を逃した。各種目思うように力を出しきれず総合順位は5位。〝粘りの明治〟を体現することができず、唇を噛んだ大会となった。
明スポとしての今試合のテーマは〝MEIJI PRIDE〟を見せつけること。主力だった昨年度の4年生が抜け、チームは新たに6人もの戦力を加えての参加。唯一3度目の出場となった田中主将は「またも優勝できなかった」と悔しげに大会を振り返る。その一方で「ここからがスタート」(新津颯太朗・文1=岩村田)や「次大会は勝利に対してどん欲に取り組んでいきたい」(新谷歩美・政経1=浦和一女)と、新人たちは次戦を見据えている。
「パラスポーツを取り巻く問題の多くは、たくさんの人がパラスポーツを楽しむだけで解決されるものも多い」と同大会の主催者である上原大祐さん(NPO法人D-SHiPS32理事長)は話す。スポーツはプレーヤーが増えても、それに関心をもち楽しむ人がいなければ、その発展には限界がきてしまう。明スポは学生メディアではあるものの、まだまだマイナーなパラスポーツの、障がいの有無を超えた発展に微力ながらも貢献していきたい。そのためにはまず、魅力を伝える私たちが実際に全力で楽しむことが大事である。「今大会で出た課題を修正し、次こそは〝逆襲〟できるよう取り組んでいく」(金井遥香・情コミ2=大船)。2連覇を果たした日体大の壁は厚いが、明大代表として必ずや優勝してみせる!
[佐藤慶世、宮本果林、堀之内萌乃、金井遥香]
出場選手のコメント
田中主将
――次戦に向けて意気込みをお願いします。
「3回目の参加ということで、車椅子リレーに関しては確かな成長を感じることができました。特に2戦目はチームとしていいレースができたと思います。毎回車椅子リレーが勝負の分かれ目になっているので、2戦目を明治スタンダードとしてチームに浸透できるようにしていきたいです。第5回大会は必ず優勝します」
下神学生監督
――大会を振り返っていかがですか。
「昨年度に引き続き2度目の参加となりました。前回味わった屈辱を晴らすべく、挑みました。しかし、前回と同じく自分が戦犯となり結果が奮いませんでした。敗因は自分の諦めの速さでした。大切な場面で最後までやり抜くことができず、大変申し訳なく思っております」
金井
――大会の中で意識した部分はありますか。
「昨年度の大会では車いすの操作で手こずったので、車いすバスケでは反省点を生かし、冷静に操作を確認しながらプレーできました。また、良いパスを託してもらったのと、信頼できるキャッチャーがいてくださったおかげで2回シュートを決めることができました。体育のバスケの授業では自分が能動的に動くことはなく、いつもクラスメイトに距離感を感じていたので、点を決めて喜んでいる自分に驚きました。こういった意味でもパラスポーツは誰でも楽しめるスポーツなのだなと実感しました」
佐藤慶世(政経2=芝)
――今大会を振り返っていかがですか。
「初めて参加させていただきましたが、素直にとても楽しい大会でした。学年や性別、大学の垣根を越え多くの人とパラスポーツを通じて交流することができました。特にチームメイトとは、悲願の優勝を目指して共に戦えたことで絆が深まりました」
堀之内
――次戦への意気込みをお願いします。
「自分たちのミスで失点する場面が多かったので、次戦までにチームビルディングや練習に取り組み、しっかり準備していかなければと思います。最終目標は、明治としてクイックテンポで圧倒していきたいです。そして何より、負けに来ているわけではないので、勝ちにこだわっていきたいです。今年度はパラ大学祭優勝しかないです」
宮本果林(情コミ2=鎌倉女学院)
――大会を振り返っていかがですか。
「今回2回目の参加で、前回は車いすリレーで脱線するなど勝利に貢献できなかったので、今回こそはと意気込んで臨んだ大会でした。しかし、今回も想像以上に車いすの操縦に手こずり、力を発揮することができませんでした。また、他の競技でも相手に向かっていく気持ちの弱さが出てしまったと思います。次こそはチーム一丸となって優勝できるよう、しっかり練習して〝逆襲〟したいと思います!」
新谷
――パラスポーツは初めてだったとのことですが、どのような印象を抱きましたか。
「やはり、誰でも楽しめるというのが素晴らしいなと思いました。男女関係なく声を掛け合ったり、プレーしたりするのがとても良かったです。パラスポーツの良さを伝えることが、経験した私たちがすべきことだと思っております」
新津
――次戦に向けての意気込みをお願いします。
「ここからがスタートだと思っています。明治パラの黄金期を作り上げるために必要な日々のトレーニング、オフの過ごし方、一つ一つの積み重ねを大切にしていった先に優勝の2文字が待っていると思います」
廣末直希(法1=松山東)
――パラ大学祭を経験してみていかがですか。
「初めてパラ大学祭に参加させていただいき、性別・学年・障害の有無などの垣根を越えた多くの学生が皆で楽しめる一方で、パラスポーツを発信するきっかけも作れる素晴らしいイベントだと感じました。もっともっと認知の幅が広がって、パラスポーツが楽しいということが世間一般の共通認識になればと思いました」
渡辺悠志郎(情コミ1=渋谷教育学園渋谷)
――次戦への意気込みをお願いします。
「次はぜひ勝ちに行きたいです。それぞれの種目において、やはり戦略やこつが重要だと感じました。パラスポーツに関心を持ちながら、次戦は分析などをしっかりした上で臨みたいです。もっとチームの戦力になるよう努力したい気持ちでいっぱいです。次戦が待ち遠しい限りです」
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