(26)「初心を貫いて努力していきたい」神鳥新監督 記者会見インタビュー

2021.06.04

 6月4日、明大ラグビー部がアカデミーコモンにおいて、神鳥裕之新監督(平9営卒)の就任会見が行われた。今回は就任された神鳥監督の会見での声をお届けする。

 

【冒頭のあいさつ】

 「皆さんこんにちは、改めまして今年度より明治大学の監督に就任させていただきます神鳥と申します。どうぞよろしくお願い致します。まずは今回このような私自身に大きなチャンスを頂けた明治大学の関係者の皆さまをはじめ関わった全ての方々にまずは感謝を申し上げたいと思います。ここ近年田中(澄憲・平10文卒)前監督の下で非常に素晴らしいチームをつくり上げてきたこの明大を引き継ぐ重責をひしひしと感じながら自分なりにチャレンジしていきたいと思います。私自身はここ数年田中前監督の明治大学ラグビー部をOBとして見てきたところで本当に勝利する文化をつくり上げると同時に選手一人一人の取り組む姿勢、こういった部分の変化をとても感じていました。私としてはそこをしっかり継承することが、一番大きな役割だと思っています。大学スポーツという競争社会にいる中で、最も重要なところではありますが、それに至るプロセスや努力などそういった部分の人間性を磨き上げつつ、結果的にチームとして優勝に導く。こういったチームをこれからもつくっていかなければいけないと感じています。そういった意味では私自身は先程田中前監督から話があった通り、常に優勝争いの場所に居続けるチームというところが一番大事なところを掲げていると同時に私自身、在任期間中に必ず優勝するといった強い気持ちを持って学生たちと日々努力していきたいと思っています。1年ほど前、田中前監督から頂いた時に本当に受け入れるかどうかという迷いも正直ありました。しかし本当にこういったラグビーの世界を通じて取り組んできた中で、こういった仕事のチャンスはやはりそう簡単にできるものではないと思い、後々これを後悔したくないなという考えの下思い切って引き受けさせていただきました。この思いを在任期間中は忘れずに初心を貫いて努力していきたいなと思っています。また学生にはトップリーグの監督で経験したことを伝えつつ選手の育成などに取り組みたいです。学生たちやスタッフたちと対話をしながら一緒にチームを作り上げることも自分の強みだと思っています。田中前監督の強烈なリーダーシップからつくり上げてきた今の明治大学から私の強みという部分もしっかりと出しながらチームを進化させていきたいと思っております。まだまだ大学ラグビーを私自身学び直さなければいけないところがあると思います。今後とも皆さんのご支援を頂きながら進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします」

 

【質疑応答】

――監督として優勝争いをするために大切なことを教えてください。

 「まずは何のために明大ラグビー部に入部したのかという部分を選手たちに問いただしていきたいです。恐らく選手たちは1番になりたい、強いところでやりたいという気持ちを持って入ってきたはずだと私は考えています。そうした動機の部分をしっかり問いただしていきながら、やはりここにきた以上はそれを目指していくのだろうと、一貫してメッセージを出していくことが大切だと感じました。学生とはまだそこまで接した時間はありませんが、時に楽な方向にいってしまうこと、ルーズな方向に入ってしまうこともあると思います。目の前で起きていることで叱るというよりは、何のためにここにきたのか本質的に何のためにここに来たのか選手たちをモチベートしていきたいなと考えています」

 

――引き受ける上での課題や挑戦した理由を教えてください。

 「田中前監督から直接お話を頂きました。最初の気持ちは、素晴らしいチームをつくり上げて、田中前監督のリーダシップ、このチームをつくり上げるプロセスを自分が引き継ぐというイメージはなかったです。ただここは、お互いの置かれている環境の違い、重責に対する自分自身の答えられる自信、本当にフィットするのかというプレッシャーは正直感じました。これは慎重に考えないといけないと考えたのですが、こういったオファー、チャンスは誰もが頂けるものではないと思います。ましてや諸先輩方が築き上げてきた、明大の監督といえば北島先生がやられていたポジションでもあります。それを自分が本当にやれるかもしれないというチャンスを、もしこれを断って後々やっておけばよかったという人生にはしたくないと思ったので、そこが1番の決め手でした。自分自身のこんなに栄誉のある話を頂いて、断った後の後悔する人生が嫌でした」

 

――リコーブラックラムズでのシーズンを終えての気持ちを教えてください。

 「終わった瞬間は申し訳ないという気持ちしかなかったです。トップリーグのファンの方もそうですし、会社の関係者の方も含めて、最後に戦う姿を見せられなかったことは申し訳ないという気持ちでいっぱいです。チャンピオンを目指せるチームとの対戦が控えていたので、選手たちに対しては勝っても負けても戦わせてあげたかったです。申し訳なかった気持ちと戦わせてあげられなかったというところの二つの気持ちです。自分自身はすぐ次に向けて、気持ちを切り替えないといけないと考えたのですが、すぐには切り替えられなかったのが本音です」

 

――学生ラガーマンに目標としてほしいことはありますか。

 「一言でいうと、大学を卒業しても、ラグビーでもそれ以外でも何でも社会で通用する人材が最も理想だと思います。ここにいる間はプロのラグビー選手ではないですし、ラグビーの技術を上げていくと同時に人間性も高めていく姿が4年間で見られれば一番良いと思います」

 

――今季の目標を教えてください。

 「常に優勝争いに参加し続けるチームになることです。優勝というのはその時のコンディションや状況、運がきっとあると思いますが、やるからにはそこを目指していきたいです。しかし、まずはチームとして期待に応えられる、応援してもらえる、見ていて明大のラグビーはさすがだなと思ってもらえるような準備をすることが重要だと思います。またその先には大学選手権の優勝の道があると思うので、まずはそういうプロセスを踏んで明大がどのような人たちにどのような期待をされているのか、自分たちはどんなチームでありたいかを突き詰めていきながら、その先にある優勝を勝ち取っていきたいと思っています」

 

[ラグビー部担当一同]