
(69)~highlight~ 三好優作「スクラム一本、明治のプライドとして絶対に負けられない」
「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。
第19回は三好優作(文4=松山聖陵)のインタビューをお送りします。(この取材は10月19日に行われたものです)
――4年間を振り返ってみていかがですか。
「同じポジションにすごい先輩方がいて、あまり出場機会もありませんでした。何度も諦めそうになった時もあったのですが、ずっと地道に一つずつ階段を上がってきてよかったと思います」
――目標としていた先輩はいましたか。
「一つ上の主将だった武井日向(令元商卒・現リコーブラックラムズ)選手と、そのリザーブでいたフッカーの松岡賢太(令元商卒・現神戸製鋼コベルコスティーラーズ)選手という同じポジションの先輩です。明治の主将であったり、リーダーであったり、その世代ユースの日本代表に選ばれていたような選手です。でも、その先輩に対して気持ちの面で負けるつもりはありません。ずっとチャレンジし続けるためにいたいいライバルでもあり、すごく尊敬もしています」
――この4年間で成長できたと思うところはありますか。
「すごく人間的に成長できました。また、(プレーの面では)セットプレーのところは、大学に入り、たくさん先輩方に揉まれて強くなったという実感はあります」
――最上級生になって意識していることは何ですか。
「セットプレーの部分では、練習であっても試合であっても、僕が絶対引っ張っていかないといけないと思っています。それ以外でも、今まで先輩方が教えてくださった部分を後輩に伝えたりしています。私生活の面では、後輩を正して指導していくっていう面ではしっかりやっていると思います」
――改めて、明大ラグビー部に入った経緯を教えてください。
「もともと僕自身強い高校にいたわけじゃありません。その部分で、関東の日本一を目指せるチームで、伝統のあるチームということで魅力がありました。選手のレベルも高いですし。一つ上にすごい先輩方がいるので、物怖じして最初はどうかなと思っていました。でも、やはり日本一になるために、ラグビーの選手として一番成長できるのは明治大学だなと思い、明治大学にしました」
――4年間で印象に残っている試合はありますか。
「2年生の時の、雨の日の立教戦です。その日、とてもF Wのコーチに怒られました。今まで自分勝手にラグビーをやっていたのだなと思いました。ラグビー選手としてというより、人間としてすごく変わらないといけない部分があるのだと気づかされた試合です」
――4年生でAチーム唯一のフロントローということで、ご自身で何か考えていることはありますか。
「同年代のフロントローがいないというのは、寂しい部分もあります。でも、今、明治のスクラムを支えるために最終学年としてできることは、今まで先輩方が教えてきた事を僕らが下の学年に継承していくということです。日本一になるためには日本一のセットプレーが大事だと思っているので。そして、それをできるのが4年の僕だけです。教えてもらった技術を惜しみなく後輩に伝えるのはすごく大事です。スクラム一本、明治のプライドとして絶対に負けられないです。4年生としてのプライドとして、明治のD N Aとして、負けてはいけないっていう部分が僕らの中であるので。だから、負けてはいけないっていう部分をもっと僕が後輩たちに提示して、みんなを奮起させられるようにならなければと思います。1人ですが、頑張って奮起してエナジーを与えられるような選手になりたいです」
――今だからこそ、後輩たちに伝えたいことはありますか。
「腐っても僕らは明治大学ラグビー部です。とてつもない深い歴史がありますし、今まで先輩たちが築いてきた明治の重戦車のためには絶対スクラムは負けられないというのがあると思います。だから、どれだけきつくてもしんどくても、相手のフロントローが自分より重かろうが強かろうが、〝僕たちは明治だ〟という大きなプライドを持ってないといけないです。まず明治の紫紺のジャージを着ているのであれば、負けちゃだめだという事を伝えたいです」
――三好選手にとって〝one by one〟とは何ですか。
「いろいろな捉え方があると思います。チームとして一つずつ課題をクリアしていくっていうのもあります。個人的には、目先のことを一つずつです。自分ができる目の前にあるプレーに集中する。次の試合じゃなくて、目の前の試合。決勝のフィールドを目指して勝つとかではなく、目先の、次の試合の第何節の試合。なければ、その次の週の練習試合。そして、その前の練習に重きを置いてやろうということを、スローガンを決めた時に思いました」
――ありがとうございました。
[堀之内萌乃]
◆三好 優作(みよし・ゆうさく)文4、松山聖陵、174センチ・97キロ
最近あった面白かった出来事は、田中隼斗(法3=大分舞鶴高)が小林翔大(経営3=明大中野八王子高)のことをベッドでマッサージをしていたこと。
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