
(68)~highlight~ 藤涼雅「チームに貢献しようという気持ちが強くなった」
「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。
第18回は藤涼雅(商4=常翔学園)のインタビューをお送りします。(この取材は10月19日に行われたものです)
――4年間の中でどのようなところが成長できたと思いますか。
「明大ラグビー部はレベルが高く、みんながチームに対して貢献しようという気持ちがあります。僕自身も、試合に出ない時でもチームに貢献できることがないか考えています。チームに貢献しようという気持ちが強くなったと思います」
――現在、チームの中でのご自身の役割は何だと思いますか。
「(けがをしていて)試合に出られておらず、復帰しても多分下のチームになると思います。今はリハビリをしながらも、練習には顔を出して、自分のやってきたことを託すような役割をしています」
――具体的にどのようなことを伝えていきたいですか。
「自分はプロップというポジションで、やっぱりスクラムが最も得意です。そういったところで、コーチとかにも信頼されています。昔の明治のスクラムはもっとすごいというイメージがあり、自分もそれを組みたいっていうのがあります。なので、自分のスクラムの技術やF Wのセットプレーの力強さにこだわらないといけないということを伝えたいです」
――改めて明大ラグビー部に入った経緯は何ですか。
「自分の父親は明治大学出身で、元木由記雄(平8年文卒・現京産大ラグビー部GM)という人がキャプテンだった時の副キャプテンをやっていました。父親も明治大学で結構活躍していたラグビープレーヤーでした。自分は昔から、物心ついた時から父親のようなラグビー選手になりたいという思いがあったので、高校も父親と同じ常翔学園に進学していました。なので、大学も父親と一緒のところにいきたいなというところで明治大学に来ました」
――4年間の中で転機になった出来事はありますか。
「やっぱり3年生の時の春の法政戦で初めて紫紺を着て試合に出させてもらったことです。捻挫をしたものも、活躍は出来て、次の週の早稲田戦にも出すと言われました。すごく嬉しくて頑張ったのですが、次の日にスパイクに足が入らないくらい足が腫れてしまい、試合には出られなくなりました。なので、一気に(努力が認められて)嬉しかった経験と悔しかった経験をしたからです」
――今だからこそ後輩たちに伝えたいことはありますか。
「けがには気をつけて欲しいということです。自分は1番けがに悩まされたので。いろいろストレッチとか対策はしていても、けがは起きるものです。けがをした時でもそこで折れずに、けがをした時こそどうやってチームに貢献することができるかを考えて行動しないとダメだということをしっかりと伝えたいです」
――ご自身はどのようにメンタルを維持していますか。
「正直めちゃくちゃ辛いのですが、周りの4年生はしっかり優勝するように本気で挑んでいます。そのこともあり、自分も本気で挑みたいなという気持ちがあります。周りの4年生が頑張っているという影響があるからこそ、自分も頑張ろうと思えます」
――やはり同期には格別な思い入れがありますか。
「そうですね。4年間やってきて、最後の年というのもあるのですが、コロナでみんな試合にも出られなくていろいろ大変だと思います。しかし、それでもみんな頑張っています。自分一人だけ裏切れないなという気持ちがあります」
――藤選手にとって〝one by one〟とは何ですか。
「一つ一つの積み重ねという意味です。田中監督も、練習でできないことを試合ではできないとよく言われています。やっぱり、〝one by one〟みたいに小さな積み重ねが、大きな試合の舞台とかに通用してくると思います。今のけがという状況とかもあるのですが、細かい筋トレやケアとかも疎かにしていたら絶対大きいことはなせないと、僕は思っています」
――ありがとうございました。
[堀之内萌乃]
◆藤 涼雅(ふじ・りょうが)商4、常翔学園、173センチ・109キロ
コロナ期間中に料理に凝り始める。アヒージョや赤ワインベースのシチューを作ったそう。
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