
(67)~highlight~ 花村海斗「最後まで一日一日を大切に、ベストを尽くしたい」
「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。
第17回は花村海斗(法4=名古屋高)のインタビューをお送りします。(この取材は10月22日に行われたものです)
――4年生はどんなチームですか。
「ラグビー面では、負けず嫌いで努力家の選手が多く、いつも刺激を受けます。私生活では、ポジションや出身地関係なく仲が良くて、寮生活がとても楽しいです。本当に良い仲間に恵まれたと思います」
――ご自身の現在のチームでの役割は何ですか。
「ルビコンのリーダーを務めることが多いです。また一方で、1人のプレイヤーとして試合に出るチャンスもいただいています。下のチームを引っ張ることを常に意識しながら、Aの試合に出られるように自身のスキルや判断のレベルを上げる努力も絶えずしていきたいです」
――最上級生になって意識していることは何ですか。
「2つあります。1つ目は、良くも悪くも下級生は4年生の姿を見て学ぶと思うので、明治に良い文化を残せるよう正しい行動をし、下級生とたくさんのコミュニケーションをとるようにしています。2つ目は明治ラグビー部でのラストイヤーなので、試合に出る事です。そして、紫紺のジャージを着ている姿を地元の人々や家族をはじめとする応援して下さる方に見せたいです。また、僕のように明治ラグビー部に一般生として入部した選手や、無名校出身の選手に夢を見せたいです」
――改めて、明大ラグビー部に入った経緯と理由を教えてください。
「経緯は、高3の夏に指定校推薦で明治に入学できる事が分かったので、ラグビー部に問い合わせ、自身のプレーや経歴を中部地方のセレクターや丹羽前監督に見ていただき、入部が決まりました。理由は、全国から日本のトップの選手が集まる厳しい環境に挑戦したかったからと、元々明治のラグビー部が好きで憧れていたからです」
――4年間の中で印象に残っている試合はありますか。
「二つ試合あります。一つ目は去年の大学選手権の決勝です。負けた悔しさと、スタンドにいる自分に不甲斐なさを感じ、強く印象に残っています。二つ目は3年生の春の明早戦です。昔から憧れていた早稲田戦に10番として出場する事ができ、嬉しかったです。運もあり春シーズンを通して多くの試合にメンバー入りできた一方、明早戦を終えてから、自身のハングリーさが減った時期があり、二度とそういうことは繰り返さないように、自身の本当の実力と目標を常に見つめる事を学びました」
――この4年間を振り返ってみていかがですか。
「苦しい事もたくさんありましたが、仲間と本気でラグビーに費やした4年間は財産になりました。最後まで一日一日を大切に、ベストを尽くしたいです」
――4年間で成長できたと思うところはどんなところですか。
「目標とのギャップを考えて努力し続けること、結果に一喜一憂せず常に向上心を持つことの重要性を学びました」
――同じポジションの後輩への思いを教えてください。
「良い選手ばかりなので、ライバルとして彼らから盗めるものは盗み、また、4年間の経験から自分が伝えられることは全て伝えていきたいです。1年生の榎本凛太郎(営1=立命館慶祥)は同じ一般生なので、大変なことも多いと思いますが、頑張ってほしいです」
――花村選手にとっての〝one by one〟とは何ですか。
「今年のコロナ禍で、未来がどうなるか分からないと言う事を痛感しました。未来を心配したり、過去を振り返らず、今できる事に集中して一つ一つ積み重ねていくことです」
――ありがとうございました。
[堀之内萌乃]
◆花村 海斗(はなむら・かいと)法4、名古屋高、169センチ・77キロ
最近嬉しかったことは、合宿の演芸会で村上慎(商3=法政二)と毎年恒例のラップバトルをした際、FWの滝沢コーチが自分に手を挙げてくれたこと。後日ライミングスキルが上がったと褒めてもらえたそう。
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