(66)~highlight~ 中辻厳毅「この4年間で自分で動けるようになった」

2020.11.23

「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。


 

第16回は中辻厳毅(商4=京都成章)のインタビューをお送りします。(この取材は10月29日に行われたものです)

――ラグビーを始めたきっかけを教えてください。

 「父が高校生の時にラグビーをしていたのが大きいです。話を聞いたりしていて、たまたま行った中学校にラグビー部があって、楽しそうだなと思って始めました」

 

――明大進学を決めたのは理由を教えてください。

 「スポーツ推薦で入学しましたが、明治大学か帝京大学どっちに行こうか悩んでいました。大学的にもラグビー部的にもいい方はどっちかって考えたときに、明治の方が良い印象があったので明大進学を決めました」

 

――入部当初、明大ラグビー部のプレーを見て感じたことはありましたか。

 「大学ラグビーのレベルは違うなと思いました。まず体の大きさが圧倒的に違うなと思ったのと、ラグビーへの向き合い方やスキルの部分が高校生とは比べものにならないなと思いました」

 

――4年間で成長できたことはありますか。

 「プレー面では、高校の時は今よりもっと太っていましたが、やっていくにつれて動きやすい体になれました。それで、高校の時にできなかったような自分の中で思い描いていたプレーができるようになりました。また、この4年間では自分で考えて動くということもできるようになりました」

 

――4年間で最も印象に残っている試合は何ですか。

 「やっぱり2年前の大学選手権の天理戦ですかね。試合を見ている側でしたが、見ていて自然と応援に一番力が入った試合だったので、すごく印象に残っています」

 

――後輩はどのような存在ですか。

 「仲間でもあり、競争相手でもあるのでお互い高めあえる存在だと思います」

 

――苦労したことはありましたか。

 「1年生の夏に右足ひざの前十字靭帯と内側靭帯を断裂しました。そのときすごく調子が良くて上のチームで試合に出ていましたが、上のチームに上がって1週間くらいでけがをしてしまいました。そこからリハビリを8か月くらいして、調子も良くて上がってきたのに下のチームにまで落ちてしまって、頑張って戻るまでが最もきつかったです」

 

――今の4年生はどういうチームですか。

 「全体的にすごく仲が良くて、まとまりはあるほうだと思います。そのなかでも全国から有名な選手が集まっているので、いい仲間に恵まれたなと思います」

 

――昨年度のチームと今年度のチームの違いはありますか。

「昨年度のチームも選手が主体性をもってやろうっていう方針でしたけど、やっぱりそれでもコーチ陣に任せてしまう部分があり、リーダー陣だけが頑張っていたチームでした。今年度のチームは去年よりは『自分たちで何かをしよう』っていう気持ちを持つことができていると思います。行動に移す力がだいぶついてきて、自分たちでよく考えて動けているチームです」

 

――ラストシーズンに入っていますが、これからの意気込みをお願いします。

 「今の目標はとにかくメンバーに入って試合に出ることなので、残りの時間は少ないですがそこに向けて頑張っていきたいです」

 

――中辻選手にとって〝one by one〟とはなんですか。

 「明大ラグビー部は全国から強い選手が集まって、個性が強い人間の集まりだと思っていますが、このチームが一つになるための大切なテーマかなと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[宇野萌香]

 

◆中辻 厳毅(なかつじ・げんき)商4、京都成章、178センチ・93キロ

上京してきて、東京の人が何かを頼むときにつかう「~してくんね」という言葉遣いにイラっとした。