(63)~highlight~ 辻龍哉「地道に頑張っていれば結果につながる」

2020.11.20

「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。


 

第15回は辻龍哉(政経4=流通経済大柏)のインタビューをお送りします。(この取材は10月21日に行われたものです)

――明大での4年間の振り返りをお願いします。

 「楽しかったっていうのが一番大きいですけど、悔しかったのが試合に出た回数がそんなになかったことです。悔しいっていう気持ちとやり切ったっていう気持ちで楽しかった4年間でしたね」

 

――大学でもラグビーを続けようと思ったのはどうしてですか。

 「高校の時もずっとラグビーを続けてきて、スポーツ推薦というかたちで明治大学から枠をいただいて、明治大学は全国トップクラスのチームなので自分をどれだけアピールして試合に出て活躍できるか試すチャンスが貰えたので、そこで活躍したいという思いから大学でもラグビーを続けようと決めました」

 

――入部当初の明大ラグビー部の印象はどのようなものでしたか。

 「一人一人がラグビーに意識高く関わっていて、練習前の準備があったり、自分のプレーの分析だったり、全てにおいて一流の選手が集まっているなという印象でした」

 

――明大に入って成長できたことはありますか。

 「自分がチームに対して何をするべきなのかということが分かることができるようになって、やるべき仕事を全力でやれたということが一番大きいかなと思います。プレー面でいうと、1年生の終わりにけがをして、そこから今までやっていたロックからフロントローにポジション変更をしました。ゼロからスクラムの組み方とか自分で研究しながら取り組んで、結果的に今年の対抗戦1試合目に出場することができたので、そこがやっぱり自分の中で1番成長できたところだと思います」

 

――4年間の中で辛かったことはありますか。

 「自分すごくけがが多くて、自分が出ていない試合で周りがすごく注目されていることに嬉しさもありつつ悔しさもありました。モチベーションを保つために、そのギャップをうめて、その時に自分ができることや目の前にあることに全力で取り組んでいくということを心がけていました」

 

――けがの期間で学んだことはありますか。

 「けがしている期間はあまりグラウンドに立てる機会が少ないので、プレーの映像をすごくよく見るようにして、イメージトレーニングがしっかりとできるようになったかなと思います」

 

――4年間で最も印象に残っている試合はありますか。

 「やはり今年の対抗戦の立教戦の試合ですね。ずっと去年も試合出られていなかった中で、やっとAメンバーに自分が入れました。紫紺のユニホームを着て、トライもして良いプレーをした中で、自分の中で成長出来たなって思えました。地道にやっていると結果につながるなと感じた試合でした」

 

――下のカテゴリーで頑張っている後輩に伝えたいことはありますか。

 「やっぱり自分に過信をし過ぎないことだと思います。自分はこれだけ頑張ったから次の試合は上のスポットで出られるだろうっていう過信をしてしまうと下のチームだった場合にすごく気持ちの落差があると思います。自分に期待し過ぎないで、目の前のことを地道に頑張っていくことの大切さ伝えたいです」

 

――同期のメンバーに伝えたいことはありますか。

 「僕らの代すごく仲が良くて、あと3ヶ月したらバラバラになってしまうのはすごく寂しいですけど、これからもたくさん飲みに行ったり遊んだりしましょうと伝えたいです(笑)」

 

――辻選手にとって〝one by one〟とは何ですか。

 「一人一人が自立しながらいろいろな考え方がある中で、大学1位になるという目標に全員がベクトルを向けるということかなって思います」

 

――ありがとうございました。

 

[宇野萌香]

 

辻 龍哉(つじ・りゅうや)政経4、流通経済大柏、183センチ、107キロ

趣味は片倉(康瑛・法4=明大中野)が毎晩作っているカルボナーラ(通称カタボナーラ)を作る姿を見ながら、片倉の部屋のソファに座って炭酸水を飲むこと。