
(56)~highlight~ 小島昂「4年間で周りが見れるようになった」
「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。
第8回は小島昂(法4=明大中野)のインタビューをお送りします。(この取材は10月23日に行われたものです)
ーーラグビーを始めたきっかけを教えてください。
「兄がラグビーをやっていて、それに憧れて、中学1年次から始めました。その時から仲間と切磋琢磨してラグビーをするのが楽しかったです。あとは、家族の応援があって今までラグビーをやってこれました。従兄弟(いとこ)もラグビーをやっていて、親戚とかで集まった時も『いつも頑張っているね』など応援がすごいあって、それに応えるためにもラグビーを続けてきました」
ーー明中(明大中野高)のラグビーから学んだことはありますか。
「プレー面では、トップリーグ経験のあるコーチにバックスの基礎を教えていただいたことです。外に振るプレーにおいてパスを一番に大事にすることとか、スペースを見つけてアタックするということを学びました。あとは周りを生かすこともその時から意識し始めました。精神面では、最後まで諦めない大切さを学びました。最後までその精神は忘れずに、高校時代、ラグビーしてましたね」
ーー入部当初、周りを見て感じたことはありますか。
「レベルが高いということです。入る時は少し躊躇(ちゅうちょ)しましたね。明治はやろうとしていることのレベルが高くて、スタッフ陣もしっかりしていて、日本一の環境を持っていると思いました。最初は、実はあまり明治のラグビーに憧れていたわけではなかったんです。明中の練習でグラウンド使わせてもらう時も、とにかく明治大学ラグビー部は怖いイメージ、威圧感があるイメージでした。兄が明治のMRC(体同連和泉ラグビー部)入っていて『やるならちゃんとやったほうがいい』って言われて、自分の力を試してみようかなと思ったのが入部のきっかけです。今は本当に入って良かったと思っています」
ーー昨年のセブンズでの優勝を振り返っていかがですか。
「セブンズに出て感じたことは、優勝というのを自分が出てる試合で身近に感じれたことですね。チームの勝利に貢献できたことは自分の自信にもなりました」
ーーB戦、ジュニア戦はご自身にとってどんな経験ですか。
「Aの一個下なんで、活躍すれば、Aに入れるんじゃないかと思って、なんとか爪痕を残したいとは思ってました。あと、B戦、ジュニア戦と違う学年とチームを組むことが多かったです。この経験がとても良かったと思っていて、いろいろな考え方のラグビーを経験することができました。新たな発見の多い試合がB戦、ジュニア戦と多かった気がします」
ーー4年間でのキーポイントはいつですか。
「去年の春の青学大戦です。初めて先発出場した試合で3トライ取れたんです。活躍できた試合として一番印象が強いです。今まで自分に自信がなかったんですが、自分もやれるんだという気持ちにさせてくれました」
ーー目標にしていた先輩はいますか。
「髙橋汰地(平31政経卒・現トヨタ自動車ヴェルブリッツ)さんですね。プレー面でも人としてもですね。プレー面では強いボールキャリー、トライを取り切る力、バックスには必要な素質を全て持っていると思います。人としても本当に優しくて後輩にも気さくに声をかけてくれたりですとか、とにかく優しい先輩でした。自分は後輩によくいじられるので、自然と後輩とは話す機会は多かったですけど(笑)」
ーー4年間で一番成長できた点はありますか。
「ボールキャリーの力が伸びたと思います。強気なキャリーができるようになったと個人的には思っています。ランのスピードも強気になれたことで、強みになるんだということを知って、自分のストロングポイントとしています。精神面では、人として成長できたと思います。例えば、落ちてるゴミを何も考えずに、拾うようになったと思います。周りが見れるようになったということだと思います。これは、監督の影響が大きくて、気持ちが向かない時とか練習をしっかりやらなかった時がありました。それが原因でプレーにもムラがありました。監督から『普段の生活が原因だから』とよく言われてて、それを改善するようにしていました」
ーー後輩に伝えたいことはありますか。
「勝つ文化ですね。常に勝ちを意識する、負けてはならないという雰囲気は絶対残していくべきだと思います」
ーー今後4年生としてどうチームに貢献していきたいですか。
「試合に出ることが1番の貢献になると思います。筑波戦では怪我明けで不安なところも多くて、積極的にボールを呼び込めてなかったところがあったと思います。消極的なプレーではなくて、自分から声出してボールもらいにいくことと他のウイングにはないパスやラン、周りを生かす力でアピールしていきたいですね。ウイングらしくないウイングを目指してます」
ーー仲の良い同期はいますか。
「石川(貴大・政経4=報徳学園)ですかね。あと、山沢(京平・政経4=深谷)とか山本(龍亮・情コミ4=桐蔭学園)もそうですね。コロナ前は遊びに行ったりしていました。石川は同じポジションというのもあって、よく練習の後とかも2人で残って自主練習とかしています」
ーー4年生の雰囲気はいかがですか。
「とても仲良いと思います。練習する時は練習して、遊ぶ時はみんなで遊ぶ。メリハリがとてもある学年だと思います。学年で飲みに行ったりするのも他の学年で比べると多い気がしますね。梅川あたりが呼びかけて、みんなで行くっていう感じです。ちなみに一番4年で面白い奴は辻(龍哉・政経4=流通大柏)です(笑)。何をしていてもただただ面白いんですよね(笑)」
ーー小島選手にとって“One by One”とはなんですか。
「日常ですかね。日常生活の一つ一つの小さなこともラグビーにつなげていくことだと思います。生活の部分から日々意識することが大事なことなんだと思います」
ーーありがとうございました。
[内山嶺]
◆小島 昂(こじま・こう)法4、明大中野高、185センチ、88キロ
試合前は気分を上げるために映画「トップガン」を見るのがルーティン。コーヒー豆を買って挽いて飲むのが好きで「同部屋の飯沼蓮も僕の真似して飲み始めてますね(笑)」
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