(54)~highlight~ 川上海「欠点の克服につながる4年間」

2020.11.10

 「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。

 

 第6回は川上海(文4=北条)のインタビューをお送りします。(この取材は10月29日に行われたものです)

 

――明大での4年間を振り返っていかがですか。

 「辛いことの方が多かったですけど、自分の欠点の克服につながる4年間でした。(その欠点とは)人付き合いの面です。ラグビーの事に関していえば、1年生の時はウイングだったんですけど、2年生になってフランカーに転向してから、ラグビーはやりやすかったです。(転向は)1年生の時にやってみないかと声を掛けられて決断しました」

 

――フランカーというポジションは激戦区でした。

 「2年生の時は覚えることで精いっぱいで、3年生の春に調子が上がってきていたんですけど、秋に脳しんとうでプレーできない期間が続きました。4年生になっても結果を出すことができなくて、結果、試合には出られなかったんですけど、フランカーとしてやってきて、自分の強みが見いだせたことには、満足していますね」

 

――寮生活はいかがでしたか。

 「最初入ってきた時は、寮生活の経験もなく、人付き合いの面とかで苦労はしたんですけど、その分、3、4年生になった時には下級生に負担をかけないように接することを心がけました。思いやる気持ち、他人を気遣う気持ちを寮生活を通して学ぶことができました。(寮メンの雰囲気)良かったと思います。一緒にテレビ見たり、趣味を共有したりしていました」

 

――春シーズンはどのように過ごされていましたか。

 「試合はなかったんですけど、やることは変わらないので、しっかり再開に備えようと準備していました。(心境は)モチベーションというより、どちらかというと使命感の方が強かった気がします。紫紺を着たくて入ってきたので」

 

――一番の思い出は何ですか。

 「クリスマスにみんなでプレゼント交換をしたことですかね。僕自身あまりこういう経験が無かったので、今言われてパッと思い浮かんだのがこれですね。僕らの代全員で1人一個プレゼントを買って、それを回してみたいな。とても新鮮でした。(昨年はどんなものを)髙橋広大(情コミ4=桐蔭学園)が買ったプレゼントが回ってきて、滑り止めがついている靴下をもらいました。大体予算は決まっていました。2年連続でいまのところやっています。今年も多分あるんですかね(笑)」

 

――ご自身の強みは何ですか。

 「ジャッカルの所はずっと自信に持っていました。特別にそこだけを練習していた訳では無いですが、人一倍ブレークダウンのところ、スピードの部分は意識していました。(今後は)ずとコミュニケーションのところは言われてきているので、引退するまでにそこは良くしていきたいですね」

 

――川上選手にとってスローガン〝One by One〟とは。

 「やるべきことを一つ一つやっていくというイメージはありました。(今も変わらず)シーズンが深まっていく中で、足元をすくわれないように一歩一歩積み重ねていくという意味です」

 

――ありがとうございました。

 

[高智琉大朗]

 

◆川上 海(かわかみ・かい)文4、北条高、184センチ・100キロ

 誕生日に寮部屋のメンバーから骨伝導のイヤホンをもらった川上。「耳をふさがないやつで……」。筆者も一度は使ってみたい