(52)~highlight~ 小幡将己「明治でなければここまで成長できなかった」

2020.11.05

 「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。

 

 第4回は小幡将己(文4=石見智翠館)のインタビューをお送りします。(この取材は10月27日に行われたものです)

――4年間を振り返っていかがですか。

 「しんどいことの方が多かったですが、とても充実していました。2年生の時に他の大学では経験できないような日本一を経験できましたし、素直に(入って)良かったなという気持ちが大きいです。(今シーズンは)イレギュラーで春の大会がなくなったりしたんですけど、その期間で、いつもよりラグビーと向き合う時間も多くなりました。明治の人がラグビーが大好きだということ、自分もそうなんだなということを改めて認識できました」

 

――今年の4年生はどういった代でしょうか。

 「今年の代は例年よりもラグビーと向き合うことができていると思います。学年関係なく練習で発言できていますし、いい意味で上下関係が無く、積極的なメンバーも多いですね。1年生でもAチームに絡んでいるメンバーも多いですし。僕らの代というより、チームが一丸となれているのかなと感じます。(チームの在り方に変化は)昨年下馬評優勢だった明治が決勝で負けて、そこから学んだことはたくさんありました。ミーティングの時間以外でも自分たちで話し合う時間が増えましたし、(チームが)いい方向に向いていると感じています」

 

――入部時と比較してご自身に変化はありましたか。

 「1年生の時はケガが多くて、シーズンのほとんどを出ていないんですけど、2年生にあがって練習も本格的に入るようになると、やはり高校時代とはいろいろと質が違うなというところはありましたね。その質に追いつこうと今まで頑張ってきたので、本当に明治でなければここまで成長できなかったなとは改めて感じます。ラグビーの事を考えるようにもなりましたね。プレーやフィジカル、戦術など全ての面で理解度もあがりました」

 

――寮生活について教えてください。

 「(メンバーの雰囲気は)正直今も入ってきた感じで、舐めているというか(笑)。緊張感は全く無いです。良いか悪いか分からないんですけど(笑)。(思い出は)半年に一回学年で集まります、決起集会的な感じで。僕たちの代は面白くて個性的なメンバーが多くて、めちゃくちゃ盛り上がります。全員がムードメーカーみたいな感じですかね。(寮内では)自粛期間で外出できなくなったので、自炊を始めました。栄養を考えながらおいしい料理を作るのは楽しいですね」

 

――小幡選手にとって〝One by One〟とは。

 「先ほども言いましたが、昨年はチーム力でいったら、頭一つ抜けていたのではと思っていて、それでも国立決勝、早稲田の一風変わった雰囲気に負けてしまったというのがありました。実際みんな勝てるだろうなとは心のどこかにあったと思います。なので(今年は)試合やプレー、私生活の一つ一つにこだわっていきたいですね」

[髙智琉大朗] 

◆小幡 将己(おばた・まさき)文4、石見智翠館高、181センチ、91キロ

最近自炊した中で一番の傑作はちゃんこ鍋。肉団子も一から作って「おいしかったです(笑)」