(50)~highlight~ 梅川太我「僕みたいなヤツでもできることを証明してみせたいという思いで努力を重ねた」

2020.11.04

  「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。

 

 第2回は梅川太我(営4=石見智翠館)のインタビューをお送りします。(この取材は10月28日に行われたものです)

 

――明大での4年間を振り返って、どのような4年間でしたか。

 「この4年間はうまくいかないことだらけでしたが、腐らずに一貫性を持って、努力をし続ける大切さを学んだ4年間でした。どうしたら試合に出られるのか、チームのために今何ができるのかということを考えられるようになりました。試合中でも考えることが多くなって、高校の時にできたことができなくなってしまったこともありました。常に考えてプレーをするようになりましたし、それは良い経験だったと思います」

 

――梅川選手はさまざまなカテゴリーで出場されました。

 「Aチームでなかなか出場できなかった悔しさを常に忘れてはいけないというか絶対に試合に出てやるという思いを持って、毎日過ごしています。明治は上手い選手ばかりなので、僕からしたらほかの選手に比べて、スキルは劣っていると思います。しかし、そこで終わらずに自分の課題を克服するために毎日誰よりも努力を重ねることが僕の強みになると思います。僕みたいなヤツでもできるということを証明してみせたいという思いは強く持っていました。明治は上のチーム、下のチーム関係なく努力するチームです。そこは僕も刺激になっていて、自分の課題を克服するために頑張る文化が根付いています」

 

――4年間で一番印象に残る試合はありますか。

 「2つあります。1つは、自分が2年生の時に出させてもらった春の天理大戦です。初めてAチームのスターティングメンバーで出させてもらって、チャンスをいただいたのですが、自分のプレーを出せずにチームは負けてしまいました。チームに信頼されないとAでは出られないと強く感じましたし、一からスキルを見直さなければいけないと思いました。もう一つは、2年生のジュニア選手権の帝京大戦です。何年かぶりに帝京大に勝利した試合なのですが、明治はチャレンジャー精神をもって全員が体を張って勝ち取った勝利でした。雰囲気が良くて、明治はチャレンジャーとしてやらないといけないということを再確認して、みんなで喜びを分ちあったときは、すごくうれしい瞬間でした」

 

――チームは過去3年間、日本一の目標に近いところにいます。

 「優勝、準優勝経験させてもらって、練習を一緒にやっていくなかで、Aチームの頑張りだけでは日本一になるようなチームにはなれないと感じています。Bチーム、下のチーム全員が日本一に向けて役割を果たすことが大切だと思います」

 

――今年のチームに際立つことはありますか。

 「今年はコロナの影響で、試合も全くできませんでした。時間がないなかで一日も無駄にせずに全力でやろうということは話しています。昨年までは試合の時だけだったのですが、今年は練習の時から選手主体のミーティングを重ねています。特に下級生が意見を言いやすい環境をつくるためにミーティングを重視しています」

 

――梅川選手は4年生のなかでどのような役割はありますか。

 「リーダをやらせていただいているのですが、常にだれよりもチームに声をかけて、エナジーを与えるような存在になることが僕の役目です。私生活でも元気よくどんなことでも一生懸命やることが本当に大事ですし、僕が率先してやらないといけないことだと思います」

 

――今後もラグビーを続けていくなかでこの4年間はどのような財産になりますか。

 「僕は常にチャレンジャーとしてやっていかないといけないと思っています。どんな状況でも下克上ではないですけど、どんな試練にもチャレンジャーとして立ち向かいたいと思います」

 

――梅川選手にとってスローガン〝One By One〟とはどのような意味ですか。

 「もともとは1試合1試合大切にやっていこうという意味です。コロナの状況もあって、1日1日をムダにはできないと思っています。100人近い部員1人1人が同じ目標に向かって挑戦し続けることがOne By Oneの意味だと思っています」

 

――ありがとうございました。

 

[上松凜助]

 

◆梅川 太我(うめかわ・たいが)営4、石見智翠館高、162センチ・69キロ

 4年間で楽しかった出来事を尋ねると「出来事というよりかは、同期に出会えたことが一番です。本当にみんないいヤツらで、みんなご飯を食べたり、生活をともにしたことが一生の財産です」同期仲の良さがひしひしと伝わります。