(49)~highlight~ 石川貴大「チームのみんなのために全力を尽くすのが僕の仕事」

2020.11.03

 「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。

 

第1回は石川貴大(政経4=報徳学園)のインタビューをお送りします。(この取材は10月28日に行われたものです)

 

――明大での4年間を振り返り、どのような4年間でしたか。

 「人間的に成長できた4年間でした。ラグビーでいえば、大学ラグビーの面白さ、難しさを学びましたし、今体験しているところだと思います。人間関係でも20歳前後をラグビー部で過ごして、大人になる過程で、社会出ていくために必要な素養を学べました」

 

――チームは過去3年間、日本一の目標に近いところにいます。

 「自分は高校の時は、すごく強豪というわけではなくて、日本一には特別な感情がありました。明治大学という常に日本一を狙っている大学に進み、周りからの影響力が大きいですし、かつ周りに与える影響力も大きい組織だなと感じました。昨年は決勝で敗れてしまい、悔しい気持ちが強かったので、今年は絶対優勝したいという気持ちでいます」

 

――明大に入ったきっかけを教えてください。

 「日本一を目指す大学に入りたかったという思いは強くありました。その思いに一番近い大学ということで明治大学を選びました」

 

――報徳学園高出身の選手は数多く明大に進学しています。

 「毎年、明治に行く人がいるので、縦のつながりは厚いです。(同じ報徳学園高出身でウイングの)山村(知也・令2営卒・現リコーブラックラムズ)選手には、『精一杯頑張ったけど、あと一歩のところで優勝できなかった。お前らは絶対に優勝してくれ』ということを昨年のシーズンが終わったところで言われました」

 

――ウイングというポジションへのこだわりはありますか。

 「どこのポジションでも、監督に使っていただいたところが自分のポジションだと思っています。どこのポジションで試合に出ても自分は頑張るしかないと思っているので、良い意味で特定のポジションに対するこだわりというものはないです」

 

――4年間で一番印象に残っている試合はありますか。

 「もちろん昨年の決勝です。後半から途中出場しましたが、あまり深く考えずに、まずは自分に与えられた仕事を全力でやろうと思い、出場しました。自分のプレーは出すことができて、最上級生になる第一歩を踏み出せた試合だと思います」

 

――対抗戦は11月に入り、勝負の月に突入しました。

 「個人としてもチームとしても成長して、絶対優勝しなければなりません。そのために一戦一戦勝利を積み重ねて、最後に頂点をつかめるように頑張ります」

 

――石川選手にとってスローガン〝One By One〟とはどのような意味ですか。

 「One for All、All for Oneという言葉がありますけど、このスローガンはその言葉に通じる言葉なのかなと考えています。チームのみんなのために僕は最後まで頑張ろうと思っているので、一試合、一試合全力を尽くして、最後にみんなで喜びを分かち合いたいと思います」

 

[上松凜助]

 

◆石川 貴大(いしかわ・たかひろ)政経4、報徳学園高、181センチ・90キロ

 仲の良さは1番だと語る4年生の代。代の中での石川選手の役割について尋ねると「自分は関西人なので、代の中では盛り上げ役に徹しています。ムードメーカーのような役割だと思っています(笑)」