(7)ついに号砲! 充実の布陣で目指すは5位以内/全日本大学駅伝展望

2020.11.01

 ついに駅伝シーズンが開幕する。5年ぶりの出場が決まっていた出雲駅伝の中止を受けて、今シーズン初戦となる全日本大学駅伝。明大はバランス型の布陣で昨年度15位のリベンジに挑む。無観客開催ではあるが、ファンを沸かせる熱いレースに期待だ。

 

 高速化の波が進む大学駅伝界、出遅れが許されない中で運命のスタートを任されるのはルーキー・児玉真輝(文1=鎌倉学園)だ。入学前から安定した実績を積み重ね、駅伝での1区経験も豊富な児玉。自身の強みは「どの区間でもどんな展開でもある程度安定して走れる」ことだと分析する。現チーム随一の安定感と走力を誇る鈴木聖人(政経3=水城)も1年次は1区に起用された。エースの系譜を受け継ぐ逸材が、チームを勢いに乗せる。

 その児玉からタスキを受けるのは、昨年度スターターを担った小袖英人(政経4=八戸学院光星)。トラックでの強さは折り紙付きで、10月のトラックゲームズでは5000メートルに出場し2度目の13分46秒台をマーク。学生長距離界でも有数のスピードをエース区間と言われる2区でも生かすことができるか。「区間3位以上でチームに貢献したい」(小袖)。最後の伊勢路で託されたのは、本人がよく口にする〝流れを作る〟役割だ。

 

 鬼門のアンカー区間には、昨年度7区5位と一矢報いた鈴木が待っている。長い距離にも強く、ハーフマラソンでは1時間1分台のベストを持つ鈴木。上位争いが最後までもつれる展開も考えられるが、頼れる柱が後ろを支えることで区間配置の穴はなくなった。充実の布陣が組めたといっていいだろう。

 

 今年度は層の厚さで勝負する。リザーブには鈴木と切磋琢磨(せっさたくま)しながら成長を続ける手嶋杏丞(情コミ3=宮崎日大)や、箱根駅伝2区でビッグサプライズを起こした加藤大誠(営2=鹿児島実)が控えていたが、それぞれ3区と7区へ。他校のエース級と対峙する。5区には前田舜平主将(政経4=倉敷)に代わって、今年度箱根駅伝4区を走った金橋佳佑(政経3=札幌山の手)がエントリー。目標とする5位以上へ、役者はそろった。

 

[川和健太郎]