
工藤有史 〝打倒早大〟で日本一へ
攻守ともに抜群の安定感を発揮する。工藤有史(政経1=清風)は、中学で全国制覇を成し遂げ、名門・清風高に進学。2年次には全日本高校選手権で準優勝、3年次には主将としてベスト4へ導いた有望株だ。高い技術力とリーダーシップで、明大に新たな風を吹かす。
覚悟を決めた1年
主将はチームの顔と言っても過言ではない。高校2年次の全日本高校選手権では清風高史上初の決勝進出。惜しくも準優勝に終わったが「自分たちでもいける」。初めて〝日本一〟が見えた瞬間だった。また同時に「次は自分が主将としてチームを引っ張る」と決意。漠然と抱いていた感情は、強い覚悟へと変わった。
しかし、道のりは想像以上に険しかった。「部員に注意したりすることが苦手だった」。自分に自信が持てず主将を辞めたいと思うこともあった。
そんなときに思い出したのはあの一戦。「絶対に日本一になる」。その思いだけが工藤を突き動かした。「勝つためなら1年くらい嫌われてもいい」と、自ら仲間に発破を掛けるようになった。
迎えた最後の全日本高校選手権は惜しくも準決勝敗退。それでも「清風高で主将をやれてよかった。後悔はない」。主将の経験は大きな成長につながった。
応援される選手に
工藤には尊敬する人がいる。清風高時代にお世話になった山口誠監督だ。監督は過去に日本代表に選ばれた経験もあるほどの実力を持つ。最も尊敬している点は「人として」の部分。特に心に残っているのは「応援される選手になれ」という言葉。この一言がバレーボールに対する姿勢を大きく変えた。プレーだけでなく、私生活での行い全てが結果につながる。それからはごみ拾いやスリッパの整理などを率先して行うように。ここで培った〝人間力〟は新たなステージでも生かしていく。
目指すは大学王者
大学でも日本一を目指す。大学を選ぶ際、強豪・早大に進学するという選択肢もあった。しかし「早大を倒して日本一になりたい」という思いから明大への進学を決意。同じ日本一でもその過程にこだわった。
今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、春季リーグ戦は中止となった。まだ公式戦の経験はできていないが、準備は怠らない。「再開したときに活躍できるように」。工藤の挑戦はまだ始まったばかりだ。
【西脇璃緒】
◆工藤 有史(くどう・ゆうじ)政経1、清風高。地元の友達と食事に行き、おしゃべりをすることが息抜きになっている。189センチ・75キロ。
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