
三浦稜介 流れをつかみ仲間とリンクへ
1対1では絶対に負けない。FW三浦稜介(政経1=駒大苫小牧)は全国屈指の強豪校で主将を務め、U―16(16歳以下)、U―18日本代表を経験。周りを生かすプレーで得点シーンを演出する即戦力アタッカーだ。氷上で熱い思いを燃やし、攻撃陣の要となる。
立ちふさがった壁
2歳上の兄、DF三浦大輝(法3=駒大苫小牧)の影響もあり、幼い頃からスティックを握っていた。「最初の頃はやらされていたのかな」と振り返れば15年。輝かしく思えるエリート街道は、平たんなものではなかった。
中学2年次、U―16日本代表に選出され、3年次には全国中学校大会で優勝。実績十分で強豪校の門をたたいた。しかし「氷上練習が始まる前から試合には出られないと感じた」。体力、筋力に周囲との圧倒的なレベル差を感じ、高校1年次は試合にほとんど出場できず。そして2年次春、さらに厳しい現実が突き付けられた。U―18日本代表の落選。選考合宿にまで行き、手応えがあった中での出来事だった。「正直、選ばれると思っていた」。毎日続けてきた練習も嫌になり、部活も休みがちに。競技をやめようとまで考えた。
新たなスタートへ
「また一から頑張ってみろよ」。そう声を掛けたのは高校時代の監督・桶谷賢吾氏。落選を経験し、改めて自分のプレーを見つめ直すと、弱点は明確だった。展開が非常に早いアイスホッケーにおいて「判断力が劣っていた。致命的だった」。そこで自己流ながら取り入れた練習法は、毎朝10分間の〝読書〟。何が正解かは分からない。それでも自分を信じ、地道に継続した。その結果「状況を理解する力が徐々に鍛えられた」と、三浦稜らしさの光るプレースタイルが確立。鋭い状況判断で攻撃の起点になり、自らもシュートを狙い撃つことで活躍の場を増やした。3年次には国体優勝、インターハイ準優勝に貢献。ついには雪辱を果たし、U―18日本代表に選出された。こつこつと努力を重ねるストイックな姿勢が花開いた瞬間だった。
〝プロになりたい〟。気持ちにも変化が生まれた。「ただ勝てれば良かった中学までと違い、今は夢に向かって努力をしている」。目先の勝利だけではない。より大きな目標を設けることで、パックに向き合う姿勢も変わった。氷上のアタッカーは地に足つけ、ゴール目がけて突き進む。
[佐藤慶世]
◆三浦 稜介(みうら・りょうすけ)政経1、駒大苫小牧高。休日は実家近くの海でのんびりと釣りをする。171センチ・66キロ。
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