(45)今季の公式戦初陣へ。八幡山で立大を迎え撃つ/関東大学対抗戦立大戦展望

2020.10.03

 待望のラグビーシーズンが開幕する。明大は4日、関東大学対抗戦(以下、対抗戦)の初戦となる立大戦を迎える。

 

◆対立大戦 スターティングメンバー◆
山本 耕生 (商3=桐蔭学園)
三好 優作 (文4=松山聖陵)
大賀 宗志 (営2=報徳学園)
山本嶺二郎 (法1=京都成章)
髙橋 広大 (情コミ4=桐蔭学園)
福田 陸人 (法3=国学院栃木)
繁松 哲大 (政経4=札幌山の手)
箸本 龍雅 (商4=東福岡)
飯沼  蓮 (営3=日川)
池戸将太郎 (政経1=東海大相模)
石田 吉平 (文2=常翔学園)
森  勇登 (政経4=東福岡)
齊藤 大朗 (商4=桐蔭学園)
髙比良隼輝 (政経3=長崎北)
松本 純弥 (政経3=佐賀工)

 成蹊大に入替戦で勝利し、5年ぶりのAグループ挑戦となる立大だが、決して侮れる相手ではない。明大と立大は伝統校同士とあって、毎年定期戦で相対する。昨年6月の定期戦では24―38で立大に軍配。春季シーズン、強豪相手に無敗を誇っていた明大に唯一、土をつけた。

 キックオフから終始、主導権を握られ、前半は14―21。試合を通じて、一度もリードを奪えず、完敗を喫した。次戦も金星へ、死力を尽くして向かってくることが予想される。相手の気迫に対して受けに回らず、明治らしく80分間、スキを見せず攻め続ける姿勢が勝利をもたらす。


 立大戦の攻撃の鍵を握るであろう2人のBKを紹介したい。1人目は、ウイングでスタメン出場する石田吉平(文2=常翔学園)。ウイングは2つのポジションを、石川貴大(政経4=報徳学園)、松本純弥(政経3=佐賀工)、石田ら多くの実力者が狙う。常翔学園時代は、フランカー、ナンバーエイト、フルバックそしてスクラムハーフまでこなし、花園を沸かせた石田。168センチ、74キロという小柄な体系ながら、相手のギャップを突くステップ、高いラグビーナレッジが生み出すユーティリティ性には「ゲーム感、嗅覚が優れている」(田中澄憲監督)と指揮官も太鼓判を押す。

 1年時から活躍が期待されていた石田であったが、昨年は肩の怪我の影響もあり、対抗戦の出場は成蹊大戦の1試合のみにとどまった。ポジションにとらわれない柔軟な動きで、時にはパサー、時にはフィニッシャーへ。変幻自在にピッチを駆け回る姿が今から待ち遠しい。

 

 そして、2人目はスタンドオフ池戸将太郎(政経1=東海大相模)だ。1年生ながら、対抗戦直前の慶大、流経大との合同練習ではスタンドオフのスタメンに抜てき。「ゲームマネジメントを頭で考えつつ、プレーできている」(池戸)と手応えも感じていた。

 東海大相模高出身の池戸。高校時代は、昨年の全国優勝校・桐蔭学園や慶応高など全国有数の強豪校と神奈川県大会でしのぎを削った。しかし、花園出場はかなわず。高校2年時は準決勝で慶応高に、高校3年時は決勝で桐蔭学園にそれぞれ敗れた。「高校の悔しさを晴らすため、日本一に一番近い大学を選んだ」(池戸)。冷静な判断と正確なキックを持ち味とする池戸。試合を経験するごとに大きく成長する逸材は、攻撃に新たなオプションを加えてくれるはずだ。

 

 今季、設定したスローガンは『One by One』。一人一人、一つ一つという意味が込められている。「足元を見て、いつも大切にしていることを慢心せずにやっていく」(箸本龍雅主将・商4=東福岡)。昨年、あと一歩のところで栄冠を逃したからこそ。最後の瞬間につながるであろうどんな試合にも全力で。まずは初戦の立大戦、ついに箸本主将率いる新シーズンのキックオフが告げられる。

 

[上松凜助]