力強いタックルで日本一へ 今熊力丸

 屈強なDLがやってきた。今熊力丸(政経1=佼成学園)は、高校2年次に安藤杯(最優秀ラインマン賞)を受賞した大型ルーキー。その名が表す通り、力強い熊のような低く重いタックルが武器だ。昨年は関東3位に終わったグリフィンズを、悲願の日本一へと押し上げる。

悔しさを胸に

 2年前、クリスマスボウル3連覇を果たした佼成学園高。RB森川竜偉(政経2=佼成学園)と共にその立役者となったのが、当時2年生の今熊だった。決勝の対立命館宇治高戦、最大21点差をつけられるも「ディフェンスから流れを持っていくことができた」。大逆転で日本一に。DLに与えられる最高の栄誉・安藤杯も手にし「今熊力丸」の名を世にとどろかせた。転機が訪れたのは2年次の春。それまではOLを務めていた今熊だったが、コーチの一声で「半強制的に」DLへ転向。それまでの経験から「目の前の相手の動きを予想できる」最強DLとして、その才能を発揮した。

 忘れられない試合がある。昨年のクリスマスボウル決勝戦では、再び立命館宇治高と対峙。公式戦52連勝、記録更新の懸かった高校最後の試合は「気持ちで負けた」。リベンジに燃える相手に、勝利への執念で一歩及ばず。3年間で敗北を喫したのは、これが最初で最後だった。日本一になりたい。初めての負けを経験し、その気持ちはさらに強くなった。「自信はある。チームに貢献でできるように」。燃え上がる闘志を胸に、大学アメフト界へと殴り込む。


【前田彩貴】


◆今熊 力丸(いまくま・りきまる)東京都出身。バレーボールやサッカーの経験も。マイブームはアメフトのゲーム。175㌢・100㌔