
担当記者イチオシ!2020(6)酒井耀史
4月の緊急事態宣言から早3カ月、警戒の姿勢は続くものの、徐々にスポーツ界も活動を再開している。試合や大会の開催が手探りの中、選手たちも前に進み始めた。
今回は”明スポが今季注目する選手”として7人をピックアップ。自粛中の思いや現在の調子についてのインタビューをお届けする。(この取材は5月29~31日、7月10、11日の2回分を合わせています。コロナウイルス流行に伴い、掲載が遅れてしまったことについてはご了承ください)
第6回は酒井耀史(商4=須磨学園)のインタビューです。
――大会が無くなってしまったりしていますが、ストレス等はありますか。
「僕のほうはそもそも3月あたりから故障していて、立ち上げで試合にも出れない時期なのでそこまで気持ちに大きく変化があるとかはありませんでした」
――今の自分の課題は。
「夏で距離が踏めない時期にはなっているので、できるだけ自分にむち打ちながら通常のジョギングで変わらず練習をして、走る距離を減らさないってことを意識してます」
――現状目標にしてることは何ですか。
「遠いですけど、最後の年なので箱根駅伝に出場するっていうのが何よりの目標です」
――そのうえでライバル視している人はいますか。
「青学の岩見秀哉っていう高校の同期がいるのですが、今年の箱根でかなり活躍していたので彼に負けない走りをしたいとは思っています」
――都内にいることへの不安はありますか。
「増えているのは都心部なので、この寮の近くにいればかからないんじゃないかなと自信はどっかにあったりして、そこまで不安はないですね」
――最後の1年をどんな年にしたいですか。
「最後までやりきるというのを意識して大学で陸上は終わろうと思っているので、今は例え大会が無くなったとしても、最後までやりきることが生きがいだと思っているので何があっても継続するよう生活していきます」
自身のSNSなどを通してクオリティーの高い自作曲を出している酒井。今回はそんな“アーティストランナー”に曲作りへの思いを聞いた。
――曲作りを始めたのはいつ頃ですか。
「歌を歌うのはもともと好きで、小3くらいの時から人前で歌ってたんですけど、友達と一緒に遊び感覚で曲を作り始めて、そのとき同時にギターの練習も始めたので、最初はそこだったと思います。友達が歌詞を書いてきて僕がメロディを乗せるというのをやって、だんだん歌詞を書きたいなと思って自分でも歌詞を書き始めました」
――曲が作りたくなる時ってどんな時ですか。
「曲作りの種は、日常のなかで『こういう曲書いてみたいな』と思ったらメモするようにしています。走っている時とかによくメロディを考えたりするんですけど、いいのが思いついた時は、メロディを録音するようにしています。メロディができたら歌詞を引っ張り出してあてるようにしています」
――音楽配信するに至った経緯は。
「楽曲を作って完成した時からやってみたかったことで、引き金になったのは全日本駅伝での大学別紹介動画で自分のターミナルって曲を先輩が使ってくださって、それをSNSにアップしたところ、高校時代の友達が『曲が欲しい」と言ってくれて、ネットで聞けるようにしようと配信しました」
――リスナーからの反応はありましたか。
「だいたいが駅伝ファンですけど、『あの曲好きです』とか『元気もらえます』とか暖かいメッセージをもらいました」
――ありがとうございました。
担当記者メモ
練習自粛に加えて故障。踏んだり蹴ったりのスタートとなったが、この男はその程度ではびくともしない。最後の1年、自身と向き合いながら箱根への再起を狙う。
[金内英大]
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