(24)新風~2020のルーキーたち~ 伊藤耕太郎「田村優選手と山沢京平選手を目標に何でもできるスタンドオフを目指す」

2020.07.04

 今年度も次世代の紫紺を担う若者たちが入部した。創部100周年を3年後に控える明大ラグビー部。本企画では、100周年を最高学年で迎えるメモリアル世代、計24名のルーキーに電話取材を行い、それぞれが4年間に懸ける思いを伺った。7月1日より連日連載していく。(※写真は本人提供です)

 

第4回は伊藤耕太郎(商1=国学院栃木)のインタビューをお送りします

 

――明大に進んだ理由を教えてください。

 「自分が高校2年生の時に、明治が大学選手権で優勝しました。自分も知っている有名な選手ばかりで、素晴らしいラグビーをしていたことが強く印象に残っています。すごいメンバー、すごいラグビーの中で自分ももまれて成長したいなと思いました。自分が明治に行ける実力があるのかということで最初は悩みましたが、声を掛けてくださって決意しました」

 

――田村優選手(平23文卒・現キヤノンイーグルス)、武井日向前主将(令2商卒・現リコーブラックラムズ)など国学院栃木高出身の選手が多数活躍しています。

 「田村優選手はあまり関わりはないのですが、武井日向さんは自分が高校生の時に練習に毎年顔を出してくださいました。すごく優しく、声を掛けていただいて、本当に接しやすくて素晴らしい先輩だなという印象があります。自分が3年生の時にも声を掛けてくださって『明治はいいところだから、頑張れ』ということを言ってもらえました」

 

――国学院栃木高時代の3年間を振り返ってください。

 「1年生から試合に出させてもらって、他の人にはなかなかできない経験をさせてもらいました。高校から寮生活だったので、ほとんどの時間を仲間と過ごして、かけがえのない仲間を作れたことが1番です。ラグビーの面以上に私生活や生活態度など人間性が1番成長しました。監督に1度ものすごく怒られたことが一つのきっかけだったですけど、内面的な部分が3年間で1番伸びたと思います」

 

――最も印象に残っている試合を教えてください。

 「やはり最後の花園の報徳学園高との試合(14―12で勝利)、東福岡高との試合(12―17で敗北)の2試合です。今まで自分たちがやってきた以上の力を出すことができました。報徳戦は、僕らは花園で最初の試合だったので、すごく緊張していました。自分がファーストトライを取ることができました。途中逆転されてしまったのですが、前半の最後にタッチに出すか迷った時に、みんなでトライを取りにいこうという決断をして、トライを取り切ることができました。後半は、自分はポジション的に後ろからみんなを見ていました。前でチームメートが確実に止めてくれるのでほぼ抜かれる気がせず、みんなを信頼して後ろから見ていることができました」

 

――前年は報徳学園高に敗れました。

 「2年生の時は、その直前の試合でケガをしてしまって、報徳戦はベンチから見ていました。大差で敗れてしまったので、先輩たちが帰ってきた時にかなりショックな顔をしていました。それが1年間忘れられなくて、結果リベンジという形で最後勝つことができたのはうれしかったです」

 

――東福岡高戦は惜しくも5点差で敗れてしまいました。

 「自分からすると東福岡は憧れを持つほど強いチームというイメージでした。どれだけ食らいついていけるかというところで、失うものは何もなかったので、最初からがんがん飛ばしていきました。敗れてしまいましたけど、後悔はほぼなく、ここまで戦えたという達成感が残っています」

 

――伊藤選手の持ち味はなんですか。

 「スタンドオフをやっているので、パスもよくやるのですが、パス以上にランでラインブレイクしていくプレーに自信を持っています。逆にアタック面のパスはこれから大学でもっと伸ばしていかないといけないところだと思いますし、ディフェンスでも体作りから大学生に対峙できるようにしていかなければなりません」

 

――スタンドオフのポジション争いという部分はいかがですか。

 「正直今の段階だと不安なことの方が多いですけど、少しでも山沢(京平・政経4=深谷)さんのようなお手本になる方がいらっしゃるうちに、吸収して自分のものにできるようにしていきたいです。『明治のスタンドオフといえば』と言われるような選手になっていきたいです」

 

――目指しているプレーヤーはいらっしゃいますか。

 「憧れはやはり高校から一緒の田村優選手です。こういうプレーをしたいと思う選手は山沢さんです。ランでもパスでもキックでもなんでも使うことができて、その選択も素晴らしいので、あのようなプレーができる選手を目指します。このお2人を目標に頑張ります」

 

――どのような4年間にしていきたいですか。

 「素晴らしい先輩たちがいる中で、自分がどれだけ通用するか今年1年間は不安でもあり、楽しみでもあります。4年後、プロに行くことが目標なので、プロで通用する体、プレーを身に付けたいです」

 

[上松凜助]

 

◆伊藤 耕太郎(いとう・こうたろう)商1、国学院栃木高、176センチ・83キロ

 肉体改造中の伊藤選手は現在、夕食に加えて、別に食事を取っているという。亀井茜風選手(政経1=長崎北陽台)、林哲平選手(文1=東海大相模)と一緒に食事するというが「亀井くん(193センチ、98キロ)はめちゃくちゃ食べます。そこまではちょっと無理です(笑)」